【2023年良書41冊】人事・採用のプロがオススメする本(領域別)

ヒト・モノ・カネなど経営資源の中でも、「ヒト」を一番の経営課題として捉える企業も増えてきた昨今。
人事部門が担う役割も変化し、経営的な視点や創造的な発想、部署を超えて人を動かす力など多様な能力・知識が求められるようになってきました。
そんな中、一線で活躍する人事・採用のプロは、どんな本からインプットをしているのでしょうか。
今回は、株式会社コーナーに登録してくれている人事・採用のプロに「これは読んでおいたほうが良い」というオススメ本を聞き、41冊に厳選しました。 いただいた一言コメントと共に紹介します。ぜひ、参考にしてください。
(2023.01.31更新)
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目次
人事のあり方について学ぶ
①人事こそ最強の経営戦略/かんき出版

パナソニック、ジョンソン・エンド・ジョンソン、オムロン、国連、SAP……先進企業の事例も掲載。
人事が意思決定するための知識や考え方を網羅的に解説した良質な手引書。
経営学的な視点からも非常に親和性が高く、これから日本企業が進むべき選択肢が体系的に記されている。
<プロからのコメント>
採用はオペレーティブからクリエイティブな時代になり、国内だけではなく世界市場を視野に入れて動く必要がある。また組織戦略では、リーダーが引っ張るだけではなく、いかに主体的に動く人材を育成する必要があるかを記載している。今後の人事を担う人材は一読するべき良書といえるだろう。
※人事の役割についてわかる記事は→こちら
②事業を創る人事/日本経済新聞出版

人事が事業に貢献したといえる実例がどれだけあるか、を振り返り、未来に向けての教訓を導く本書。「事業を創る人事」に挑む経営者と人事部を描写し、人事がわかる経営者の特徴はなにか、経営がわかる人事部の特徴はなにか、を示す。
<プロからのコメント>
「事業視点を得るため」に役立つ書籍。“新しい技術や市場の開拓、事業モデル、業務プロセスを実現する人材基盤と組織能力を開発する”という人事の根源的な目的に立ち返り、事業ラインの支援者・パートナーとしての人事のあり方を、実例と共に紹介してくれる1冊。
③アジャイル化する人事 DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文/ダイヤモンド社

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2018年7月号)』に掲載された記事の電子書籍化。事業環境の目まぐるしい変化によって、長期の計画が意味を成さなくなる中、人事分野でも「アジャイル」の概念が取り入れられ、人材の採用、育成、管理を変えつつある。本書では、人事分野で進む重要な変化とアジャイル人事への移行に伴う課題を紹介。
<プロからのコメント>
まさにアジャイル人事について書かれている文献。スクラム等の解説もあるため、これを見るとアジャイル人事について基本から理解ができる。
※アジャイル人事についてわかる記事は→こちら
④SCRUM BOOT CAMP/翔泳社

高品質のソフトウェアをすばやく開発できる手法として、世界中で注目されている「スクラム」。本書では、実際の開発プロジェクトにどう適用すればよいのかを、とにかくわかりやすく解説。
<プロからのコメント>
上述③で紹介した「アジャイル化する人事」を学ぶために、そもそもの開発における「スクラム開発(アジャイル開発の中の手法)」について書かれた本著を読むと理解が深まりやすいのでは。エンジニア向けではあるものの、人事がアジャイル化する上で役割の定義など、この本を読むとイメージが持てるわかりやすい1冊。

⑤戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ/光文社新書

NKKやGEで長年、人事部門を歩んできた「人事のプロ」と組織行動研究の第一人者が、人事本来の役割、人のやる気の引き出し方、組織開発の手法、リーダーの育成法などを経営の観点から綴った1冊。
<プロからのコメント>
ビジネス書とは違った観点で人事担当者のよくある悩みをわかりやすく事例を交えて解決してくれる。共感できるところも多く、読みやすく理解が進みやすい良書。「管理のための人事」ではなく、「経営のための人事」を理解できる。人事パーソンとしての在り方についても書かれており、既に人事経験が豊富な方もこれから人事を始める方にとっても、人を扱うプロフェッショナルとしてのあるべき姿がわかる。
⑥トップ企業の人材育成力 ―ヒトは「育てる」のか「育つ」のか/さくら舎

採用・育成・人事・組織開発・HRテクノロジーなどのHR戦略を、ビジネスシーンの最前線で実践しているスペシャリスト8人が明かす。
編集は「転職の思考法」と「天才を殺す凡人」の著者でもある北野唯我さん。
<プロからのコメント>
様々なトップ企業の人事の方が、人事としてのHR戦略を実践ベースで記載しており参考にできる。
経営と人事→育成→採用→組織開発→HRテックと流れで読むと現在進行形の人事全体像がイメージできるため、これからの人事の考え方やトレンドを理解し、考えや施策を整理するのに使える1冊。
⑦HRDXの教科書 デジタル時代の人事戦略/日本能率協会マネジメントセンター

DXに注目が集まる昨今、組織・人材マネジメントもデジタル時代に則したものが求められている。旧来の慣習や経験に則った人事体制ではない、新たな経営や従業員への付加価値を問う。
<プロからのコメント>
最先端の企業事例やインタビューが多く掲載されているため、より実務的なHRDXを知ることができる。またHR観点だけでなく、経営観点から見たDXの本質と価値についても記載があり、企業文化や戦略を重んじる必要性が感じやすい。事業会社でDX推進を行う際に発生するだろうボトルネックや課題が生々しく感じられる1冊。
⑧経営戦略としての人的資本開示/日本能率協会マネジメントセンター

ESG投資家が注目する人的資本の開示が現状でどれほど世界の政治経済に影響を与えているのかを知り、これからの日本企業における重要性を示す1冊。国内外における実践的な取り組み事例も多数掲載。
<プロからのコメント>
「人的資本主義とは何か」を問い、普及するまでの背景や今必要とされている経緯について網羅的に書かれているため、具体的なイメージが持ちやすい。
企業価値とは何かという基本に立ち返り、項目に求められるがままに開示するのではない、“戦略的開示”を実現するためのステップがわかる。
人事のデータ活用について学ぶ
①ピープルアナリティクスの教科書/日本能率協会マネジメントセンター

ビッグデータとAIが人材マネジメントの世界を大きく変えようとしてる中、その主役となるのが、社員の行動データを収集・分析して、生産性の高い人材と組織に成長させる技術である「ピープルアナリティクス」
この技術は既に欧米ではGAFAをはじめ多くの先進企業で導入され、成果を発揮している。本書は、このテーマの第一人者たちが日本企業に向けて、実践法を解説。
<プロからのコメント>
理論・手法・運用・事例と、まさにこれからピープルアナリティクスを進めていく人のための本。サイバーエージェント、日立製作所など9社の事例・実践法・効果なども収録・解説されている。
※ピープルアナリティクスについてわかる記事は→こちら
②データ・ドリブン人事戦略/日本能率協会マネジメントセンター

なぜ人事がデータ・ドリブンでテクノロジーも活用した人事にならなければならないのか?AI時代を見据え人事機能として提示すべき人材に求められる将来像は?こうしたさまざまな問いを整理し、テクノロジーの進化に伴う変化に対応できる組織をつくっていくための一助を提供する、AI時代にデータを駆使した新しい人事戦略の方向性を示す。
<プロからのコメント>
「データ・ドリブン人事戦略」とは、ますます増え続けるさまざまなデータを賢く活用し、社員のパフォーマンスを向上させたり、会社全体の成功に貢献したりすることを指す。「戦略目標を達成する」という観点から、人事がどうデータを活用して価値発揮するかをまとめた1冊。
※データドリブン人事についてわかる記事は→こちら
組織開発について学ぶ
①組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす/ダイヤモンド社

つかみどころのない概念であり、単純化した説明が難しい「組織開発」。
この領域の国内トップランナー2名(中原 淳さん、中村 和彦さん)が組織開発100年の歴史を遡り、その思想的源流から手法の変遷までをたどった本邦初の試みが公開された1冊。
<プロからのコメント>
組織開発の全体像や本質を学びたい人にオススメ。どうしても手法に捉われがちな「組織開発」について、組織開発の歴史的背景や各種理論、応用技術などから体系的に学べる書籍。
②DREAM WORK PLACE―だれもが「最高の自分」になれる組織をつくる/英治出版

ルイ・ヴィトン、ユニリーバ、ハイネケンなど、世界中から人材を引きつけ価値を出し続ける企業の事例が営利から非営利組織まで満載。
ハーバード・ビジネス・レビューの最優秀論文賞を受賞した著者による、本物の組織をつくる秘訣が書かれた1冊。
<プロからのコメント>
組織を強めるためにスキル・経験だけで判断するのではなく、人間力に着目すべきというメッセージが込められている。
”ヒト”に着目し、人が持つ価値観の話や、今後の社会において理想とする働き方とは何かを考えさせられる。
③自然経営 ダイヤモンドメディアが開拓した次世代ティール組織/内外 出版社

日本でどこよりも早くティール型組織を構築した「ダイヤモンドメディア」創業者・武井浩三氏と、元ソニー天外伺朗氏による、「ティール組織」の実践編。
<プロからのコメント>
2018年にブームとなったティール組織に続いたような書籍。過去の事例が多く、経営者はもちろん人事としても読んでおいて損はない。
定量的な目標に対して何も疑わず、まるでロボットのような人材の組織は今後衰退していく。
予測からいかに自立人材を育て、組織を強めていくべきなのかが具体的に表現されており、辞書のような感覚で読める1冊。
※ティール型組織についてわかる記事は→こちら
④U理論―過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術/英治出版

「すでに起きてしまったこと」に学ぶのではなく「未来から現実を創造する」手法を体系化した「U理論」について、経営学、哲学、心理学、認知科学、宗教などの知見をブレンドして解説された1冊。
<プロからのコメント>
人や組織が変われない本質的な理由は能力ではなく「怖れ」や「過去への愛着」であるとすれば、そういった自己認知を徹底的に認識することから始まります。そのために「なにから手をつければいいのか?」という問いに、包括的かつ実践的にアイデアを提供してくれるのがこの本。
⑤ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える/東洋経済新報社

Googleはいったいどんな仕組みで動いているのか?Googleの人事トップが採用、育成、評価のすべてを初めて語った本書。創造性を生み出す、新しい「働き方」の原理が全公開された1冊。
<プロからのコメント>
Googleの人事の仕組みとは?同社の人事担当上級副社長が全てを書いた、言わずと知れた名著。Googleの施策をそのまま真似るためというよりも、「人と組織への考え方」そのマインドセットの部分に学ぶべき点が多い1冊。
⑥Team Geek -Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか/オライリージャパン

Googleでプログラマを経てリーダーを務めた著者が、「エンジニアが他人とうまくやる」コツを紹介。「チームを作る三本柱」や「チーム文化のつくり方」から「有害な人への対処法」まで、エンジニアに求められる社会性について楽しい逸話とともに解説。
<プロからのコメント>
ソフトウェア開発チームをうまく運営するコツについて書かれている本ではあるが、組織を率いるリーダーにとっても示唆に富んだ内容に溢れており、人事が組織開発の観点で読んでも面白い1冊。
⑦Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR/日経BP

Googleの創業期に投資をした、シリコンバレーの伝説的投資家ジョン・ドーア。Googleのほかに、Amazon、Twitter、Slack、Uberなど、大成功を収めたベンチャー企業をことごとく発掘し、大企業へと成長させてきた著書が、世界レベルで戦うためのシンプルで確実な方法を解説した1冊。
<プロからのコメント>
OKRの意味、組織メリット、具体的な運用方法に至るまで、多くの事例と共に教えてくれる良書。Google、Intel、intuitなどの活用ケースにも多く触れており、実践的なノウハウをたくさん知ることができる。OKRを導入する経営陣だけではなく、実際に運用していくメンバーの理解促進にも寄与してくれる。
※OKRについてわかる記事は→こちら
⑧自主経営組織のはじめ方―現場で決めるチームをつくる/英治出版

自主経営の基本的な考え方から、「組織構造」「マネージャーやコーチの役割」「コミュニケーション手法」にいたるまで、ティール代表事例〈ビュートゾルフ〉をはじめ、さまざまな組織を15年以上支援してきたコンサルタントが徹底解説。日本向けの特別コラムも追加されており、国内でいち早く実践されてきた知見にもとづいたポイントやヒントも掲載。
<プロからのコメント>
『ティール組織』で取り上げられていたビュートゾルフ社など実践例について紹介しながら、ティールを実践する上で欠かせない自主経営の基本的な考え方から、組織構造、解決指向のコミュニケーションという独自手法まで解説している良書。
⑨マッキンゼー流 最高の社風のつくり方/日経BP

サウスウエスト航空やアップルストア、スターバックスといった伝説的な社風を持つ企業の第一線に立つ社員まで、20年にわたって調査と研究を重ねてきた著書らが解き明かした、優れた社風や組織文化を築くシンプルな科学。
<プロからのコメント>
人間の「動機」と「報酬」と「行動」の関係を科学的に分析した結果がわかりやすくまとまった良書。「いかに公平性を担保した上で、高い業績を上げた人に高い報酬を与えるか」とこれまで苦心してきた私たちの概念を、根本から覆すような分析結果が明らかにされている。
⑩多様性の科学/ディスカヴァー・トゥエンティワン

生産性を高める組織改革を目指す上で、集団が画一的な視点だけしか持たないことで生まれる弊害や危険性を踏まえ、日常に多様性を取り込むことがいかに重要であるかを示した1冊。
<プロからのコメント>
多様性の本質的な理解から、「影の理事会」やアンコンシャス・バイアスによる弊害といった興味深い事例まで、実用的な内容が並ぶ。集合知を活かし、異なる思考の枠組みや視点を保つことで競合優位性の高い組織を目指すための理解に寄与してくれるだろう。
※アンコンシャス・バイアスについてわかる記事は→こちら
⑪パーパス・ドリブンな組織のつくり方/日本能率協会マネジメントセンター

組織と個人、双方の幸福度と生産性を高める「パーパス・ドリブン」な組織を目指すためのプロセスを解説。発見・共鳴・実装の3ステップに加え、実際にパーパス・ドリブンを実現した日本企業の事例についても多数紹介。
<プロからのコメント>
パーパス経営を、概念やフレームワークだけでなく、実装させるために必要な策定と運用まで詳細に記されている1冊。パーパスやカルチャーの浸透が6区分で構造整理されていることで、自組織における課題の再発見にも繋げやすい。
⑫ジョブ型人事制度の教科書/日本能率協会マネジメントセンター

グローバル企業のほとんどが採用している「ジョブ型人事制度」の持つメリット・デメリットを体系的に整理し、日本企業が導入・実践する上でのアレンジと考えるべき勘所についてまとめた1冊。
<プロからのコメント>
まさに教科書的な「ジョブ型人事制度」の入門書として、ブームに至った背景から制度設計・運用までが網羅的にカバーされている。「ジョブ型」とは「メンバーシップ型」の対比であるという概要を改めて理解し、日本の労働慣行とのギャップを埋めるために必要なコミュニケーションや運用プロセスを整理する際に役立つ。
※ジョブ型をはじめ、人事制度についてわかる記事は→こちら
⑬エンプロイー・エクスペリエンス/キノブックス

労働力の売り手市場である現在、優秀な人材を確保し、その流出を防ぎ、彼らがハイパフォーマンスを出し続ける「成長を促す環境作り」が競合との差別化、競争優位の実現のキーとなっている。これからの時代の経営・マネジメント戦略を解説した1冊。
<プロからのコメント>
実例や具体的な施策含めて、わかりやすく解説されている。日本にエンプロイーサクセスの概念を広めたきっかけともなる本なので、読んで損はない1冊。
⑭恐れのない組織/英治出版

心理的安全性研究の第一人者であるハーバード大教授・エイミー氏による事例研究内容をまとめた1冊。ピクサー、フォルクスワーゲン、福島原発など様々な事例を分析し、「組織が機能する」にはどのような状態であるべきかを問う。
<プロからのコメント>
心理的安全性を高めれば、これまで以上の可能性をテーブル上に並べた上で議論を進められる。従業員の才能を引き出し、未来の組織を守るために必要な内容をケーススタディを得ることができる1冊。管理職やリーダーに求められる役割や、陥りやすい誤解についても実践的に学べる。
※心理的安全性についてわかる記事は→こちら
経営・事業について学ぶ
①入門 起業の科学/日経BP

2017年秋刊行の『起業の科学 スタートアップサイエンス』のエッセンスをコンパクトに凝縮したのが本書。専門用語が必要最低限に絞られ、「起業が成功に至るプロセス」の全体像が、すっきり素早く頭に入る1冊。
<プロからのコメント>
「起業が成功に至るプロセス」の全体像がわかりやすくコンパクトにまとまっている。経営から逆算した人事目標を達成していくために、そもそも事業がPMFまでどのような道のりを辿るんだっけ?ということなどはわかっておきたいところ。元々の「起業の科学」は少し難しいが、入門編の本書でも十分オススメ。
②ビジネスモデル for Teams 組織のためのビジネスモデル設計書/翔泳社

世界的ベストセラー『ビジネスモデル・ジェネレーション』(BMG)の続編。
BMGでおなじみのビジネスモデルキャンバスを「組織・チーム」に適用し、組織やチームの力を最大化する手法を指南した1冊。
<プロからのコメント>
「事業を伸ばすためのチームビルディングってどうやるの?」について、戦略から実務までを幅広くカバー。フレームワークを活用することで頭が整理でき、戦略が立てやすくなる。全体的に文字と絵や図のバランスが良く読みやすい1冊。
③プロフェッショナル マネジャー/プレジデント社

「本を読む時は、はじめから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ」
アメリカのコングロマリット(巨大多国籍企業)ITTのCEOとして14年半も増益を続けた「経営の鬼神」ハロルド・ジェニーンの経営回顧録。長らく絶版となり「幻の書」と化していたが、「プレジデント」誌の柳井氏インタビューを契機に2004年に復刻。
<プロからのコメント>
経営とは何なのか、について考えるきっかけになる本。ストーリー仕立てで生々しい事例をもとに、理想の立て方、実現の仕方、そして結果を出すことの意義について深く考えさせられる。
④現代の経営/ダイヤモンド社

経営には、時代の流れとともに急激に変化していく部分と、時代がどう変わろうとも変化しようのない基本の部分がある。本書は、その基本の部分を明らかにした不朽の名著。経営を学び身につけるために必ず読まなければならないとされる経営学の最高の古典であり、経営の原点、経営の常識である。
<プロからのコメント>
自主的・自律的な組織・個人をどのように実現するかというドラッカーの思想の根幹を学べる1冊。人事の業務に落とし込むと、目標管理制度(MBO)を運用する際に役立てる基本思想としてもオススメ。
⑤リデザイン・ワーク 新しい働き方/東洋経済新報社

全世界で最も権威ある経営思想家ランキングである「Thinkers50」のトップ15に選ばれた著者が、世界の先進企業をコンサルティングする中で編み出した「新しい働き方を再設計する4ステップ」を解説した1冊。
<プロからのコメント>
「人生100年時代」というキーワードを創り出した著者による本書には、長寿社会である日本におけるウェルビーイング経営と働き方のあり方を再考させられる。理解・構造・検証・創造の4ステップの実践についても、詳細な事例が多く具体性が感じられる。
人材開発について学ぶ
①幸せのメカニズム 実践・幸福学入門/講談社現代新書

脳・ロボット学者が解き明かす、幸せのしくみ。
学問としての体系的幸福学を、幸せの四つの因子「やってみよう!」「ありがとう!」「なんとかなる!」「あなたらしく!」から紐解く 1冊。
<プロからのコメント>
人に関わるプロとして、感覚に頼るのではなく、科学的な側面からも幸せという概念を理解しておくべき。そのヒントとなるべき情報が分かりやすく書かれた入門書的存在。
②心理学的経営/PHP研究所

人間をあるがままにとらえる「個性化」と「活性化」のマネジメントとは。組織における人間の「感情」や「個性」を深く追求した著者30年の実務と研究に基づく全く新しい経営論。
<プロからのコメント>
リクルートで30年にわたり組織における人間の「感情」や「個性」を深く追求した著者が、「個をあるがままに生かす」ことを前提とした経営論をリクルートでの事例を元にまとめた1冊。1993年に刊行され、今なお人材経営の原点として評価されている。
③組織行動論の考え方・使い方/有斐閣

「組織行動論」領域において、学術的に確立された理論と測定尺度を概観。実際の経営現象を測定・研究する際、実践家とともに理解を深め合える協働を求め、経営学にとってのレリバンスとは何かを真摯に問う1冊。
<プロからのコメント>
「エンプロイーサクセス」の実践に関わる本。関連する概念(コミットメント、エンゲージメント、モチベーション、ジョブ・エンベデッドネス)が関係性も含めてわかりやすく網羅的に解説され、全体像を理解できる1冊。
※エンプロイーサクセスについてわかる記事は→こちら
④人材管理のすすめ/辰巳出版

「ゼネラル・エレクトリック(GE)」を世界に名だたる人材輩出企業に押し上げたビル・コナティと、世界各地の一流企業のコンサルタントを務める伝説的人物ラム・チャランが語る、一流の仕事ができる最高の”人材”のつくり方。
<プロからのコメント>
GE(ゼネラル・エレクトリック社)、P&Gなど、タレントマネジメントの先進的な取り組みをしている企業の事例やノウハウがかなり詳細に紹介された1冊。
※タレントマネジメントについてわかる記事は→こちら
※人員計画・ワークフォース・プランニングについてわかる記事は→こちら
⑤解像度を上げる/英治出版

物事を論理的に考え、ユニークな洞察力を発揮するような「解像度が高い人」は、どのように情報を集め、行動しているのか。「深さ・広さ・構造・時間」の4視点から物事を考える方法や、実践的な方法を語る1冊。
<プロからのコメント>
「解像度を上げる」という曖昧な言葉を4つの視点から整理することで、いかに質の高い情報を得てオリジナリティある解決法を見つけ、実際の行動に移すのかという部分を“48の型”に則って考えるという丁寧なステップで描いているため実践しやすい。
⑥数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN/ソシム

一見予測の難しい“人の行動”を、組織や社会におけるルールの法則性に則って整理。ルールデザインが失敗するときの原因や、目的を効果的に達成するために必要な仕組みづくりやフィードバックについて、数理的な解析技術をもとに科学的に論じた1冊。
<プロからのコメント>
ルール設計時のミスや、ルール運用後に前提が変化するなど、あらゆる組織や社会における失敗・成功事例が多く記載されているためわかりやすく、自らの組織に当てはめて考えやすい。最初から完璧なルールを作るのではなく、施行と改善を繰り返して進む適応的制度設計の実践法が学べる。
⑦ブレンディッド・ラーニング~新リモート時代の人材育成学/フローラル出版

リモート活用の流れが高まる昨今の流れを受け、多様化する学習スタイルを効果的に取り入れるための1冊。異なる学習メディア・学習活動・提供手段を組み合わせる「ブレンディッドラーニング」の在り方を示す。
<プロからのコメント>
コロナ禍において変容した教育環境や企業体制において、ニューノーマル時代に適した教育研修の組み立て方が実践的に学べる。
⑧「研修評価」の教科書/ダイヤモンド社

人材開発・組織開発に知見のある著者陣が、「数字」と「物語」による実践的な研修評価の考え方と方法について語る。定性データを収集するだけに留まらず、実践的な測定と評価を行う「混合評価」について解説した1冊。
<プロからのコメント>
研修後アンケートにどのような項目を設定すべきか、経営層や管理者層を巻き込んで行うための方法など、企業研修の改善を目指す実践家向けの内容が詳細に記載されている。
採用・採用広報について学ぶ
①採用に強い会社は何をしているか~52の事例から読み解く採用の原理原則/ダイヤモンド社

地方の会社から有名企業、ベンチャーまで、さまざまな採用の成功事例から学ぶことができる1冊。
欲しい人材を惹きつけ・見立て・辞退させない具体策をはじめ、採用担当者の悩みを解決する多数のヒントをさまざまな成功事例とともに紹介。
<プロからのコメント>
多くの企業での事例が盛り沢山。事例だけでなく、使えるフレームワーク等の掲載もされており、単なるインプットに終わらない実用的な内容だと感じる。
※採用に関してプロ人事が監修した「応募数・決定率アップ」のノウハウ資料を無料でダウンロードできます。
→ダウンロードはこちら
②物語と体験 STORY AND EXPERIENCE/宣伝会議

ブランドが価値あるものとして存在していくためには、物語(戦略的ブランドストーリー、コンセプト構築)×体験(リアリティのある体験・行動中心の統合型コミュニケーション)の考え方が重要になる。本書では、物語と体験がいま必要な理由、また物語×体験を実践した成功事例を紹介。
<プロからのコメント>
統合コミュニケーションによる「物語と体験のデザイン」について書かれた1冊。広告業界の方向けではありますが、多くの事例が登場するため業界知識がない方でも楽しく読め、採用広報に役立てられる書籍。
※採用マーケティングについてわかる記事は→こちら
※採用オウンドメディアについてわかる記事は→こちら
③採用100年史から読む人材業界の未来シナリオ/クロスメディア・パブリッシング

“人材ビジネス”これまでの100年を分析し、業界の未来を予測するという今までになかったコンセプト。人事・採用担当者はもちろん、転職サイトや人材紹介会社で働く方、人材業界で働きたい方、経営者や、産業の変化の一つとして、客観的にこの業界に興味を持つ方々に読んでほしい1冊。
<プロからのコメント>
全編通して非常に読みやすく、人材ビジネスの全貌を知りたい方に特にオススメ。人事の常識を覆すあり方や、経営視点に立った人事としての考え方という点でも参考になる。
その他
①これだけは知っておきたい!スタートアップ・ベンチャー企業の労務管理/アニモ出版

多くのベンチャー企業の労務をサポートしている著者が、ベンチャー企業の労務を成長フェーズごとに体系立てて、ケーススタディを交えながら実務的にやさしく手ほどきする1冊。
<プロからのコメント>
スタートアップからIPO準備まで、人事として副業・複業領域でも重宝される分野の労務管理が具体的にわかりやすく解説されている。
ベンチャー企業の経営者や管理部門担当者にもぜひ読んでほしい内容。
※ベンチャー企業における戦略総務についてわかる記事は→こちら
まとめ
先人に学び、実務に活かそう 加速する採用競争環境の中、人事はこれまでの常識を疑い、よりベストな方法をスピーディに検討・実行していく必要があります。
だからこそ、それぞれの分野の先人に学び、実務に活かしていくことはもはや欠かせません。
まずは今回ご紹介した41冊のうち、特に気になるものから手に取って読み進めてみてはいかがでしょうか。