【ハードワーク意識調査レポート】ハードワークは悪なのか?「納得できれば受け入れる」が多数派——成長機会と評価のギャップ
働き方改革が進み、長時間労働の是正や生産性向上は、多くの企業で当たり前のテーマになりました。
一方で、近年は、働くことへの向き合い方や、仕事へのコミットをどこまで求めるべきかについて、社会的にもさまざまな受け止め方が見られるようになっています。そこで、企業に就業中の正社員1,236名を対象に「ハードワーク」に対する意識調査を実施しました。
本記事では、「ハードワーク」という言葉のイメージや受け止め方、受け入れられる条件、前向きに捉える人の特徴、そして働き方改革が組織に与える影響まで、調査・分析した結果をまとめています。
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目次
調査結果サマリ
調査対象:企業に就業中の正社員(管理職、人事を含む)
調査エリア:⽇本全国
有効回答数:1236件
調査期間:2026年2月27日~ 2026年3月2日
調査方法:Webアンケート調査
調査実施者:株式会社コーナー、株式会社マクロミル
主な調査結果
・ハードワークは「長時間労働」「過重な負荷」といったネガティブな意味合いで捉えられやすい傾向がある
・ハードワークは一律に否定されているわけではなく、「成長につながる」「正当に評価される」などの条件が整えば受け入れられる
・働き方改革により働きやすさは改善する一方で、努力が評価や成長にどうつながるのかは見えにくくなっている
ハードワークの受け止め方
ハードワークは「挑戦」よりも「負荷の大きい働き方」として捉えられやすい一方、一律に否定されていない
ハードワークの言葉のイメージ

「ハードワーク」という言葉から最も連想されるのは、「業務量が多い状態」(77.9%)と「長時間労働」(74.9%)で、続いて「心身への負担が大きい働き方」(74.7%)が並びます。一方で、「責任ある役割を引き受けること」(33.3%)や「成長や成果のために本気で向き合う姿勢」(14.8%)は少数にとどまり、ハードワークは“挑戦”よりも“負荷”の言葉として受け取られている傾向がうかがえます。
ハードワークについての考え

ハードワークに対する受け止め方で最も多いのは「条件次第では受け入れられる」(55.1%)で、「どんな条件でも避けたい」(25.2%)や「成長や評価につながるなら積極的に受け入れる」(17.0%)を上回ります。つまり、ハードワークは一律に否定されているのではなく、「どんな条件なら納得できるか」を重視していると言えます。
ハードワークを受け入れる条件
ハードワークの受容は、負荷の大小そのものよりも「昇給・昇格や正当な評価につながる」「期間・ゴールが明確」といった納得感が重要

ハードワークを受け入れる条件として多く挙がっていたのは、「昇給や昇格につながる」(70.0%)で、次いで「正当に評価される」(65.9%)が続きます。加えて「期間やゴールが明確」「成長やスキル向上につながる」も重要な条件の一つとして見られています。
ハードワークが受け入れられるかどうかは、負荷の大きさそのものよりも、その仕事が成果や評価、成長につながるものとして納得できるかどうかが重要だと読み取れます。
ハードワークに前向きな人の特徴
仕事を通じて成長したいと考える層や、現在の評価の納得度が高い層ほど、ハードワークに前向きな傾向にある

成長意欲別にハードワークの受容度を分析すると、成長意欲が高い層ほどハードワークを前向きに受け入れる傾向が見られ、成長意欲が低い層ではハードワークを必要とする割合が相対的に低くなる傾向が確認できます。
ハードワークの受け止め方は、労働時間や業務負荷そのものだけで決まるのではなく、働く人の価値観や組織における評価への認識とも関係しています。
ハードワークの受容と評価の見え方の関係
負荷の高い仕事は評価されている実感がある一方で、将来の成長・報酬へのつながりは見えにくい

負荷の高い仕事や責任の大きい役割について「ある程度評価されている」(53.2%)が最多で、「十分に評価されている」(5.8%)も含めると、評価は一定程度機能しているという認識が広がっています。一方で、その評価が将来の成長や報酬につながるかについては、「明確にイメージできる」は6.3%にとどまり、約半数が見通しを描けていない状況がうかがえます。
この結果は、「今の頑張りが評価されている」という実感があっても、それが将来の成長・報酬・役割につながるという納得感には接続していない可能性が示唆されます。
評価の“実施”だけでなく、負荷の高い仕事が「どのように昇給・昇格・次の役割につながるのか」を言語化し、キャリアの見通しとして示すことが、ハードワークの受容を高める鍵になります。
働き方改革の影響
働き方改革は生産性向上に寄与している一方で、成果や貢献の評価が難しくなっている

働き方改革の組織への影響として、ポジティブ面では「業務の効率化が進んだ」(33.5%)、「無駄な業務が削減された」(32.0%)が上位に挙がり、生産性向上に向けた変化が一定程度進んでいることがうかがえます。加えて、「生産性を意識したマネジメントが強まった」(26.8%)や「心身の負荷への配慮が進んだ」(23.3%)も続き、運用面でも改善が見られます。
一方でネガティブ面では、「成果よりもプロセスや働き方への配慮が増えた」(16.5%)、「評価の難しさが増した」(16.3%)が上位に挙がっています。効率化が進むほど、従来の“頑張り”の見え方が変わり、成果や貢献をどう評価するかが難しくなっていると言えるでしょう。
まとめ
本調査から、ハードワークが一律に否定されているわけではないことが分かりました。むしろ、成長機会や正当な評価とのつながりが見える場合には受け入れられる傾向があり、受け止め方は負荷の大きさだけでなく、「納得感」や「将来への見通し」によって左右されている可能性が示唆されます。
一方で、企業の現場では負荷の高い仕事や責任の大きい役割が一定程度評価されているという認識が広く見られるものの、それが将来の成長や報酬にどうつながるのかについては、十分に実感されていない側面も見られました。
だからこそ企業には、ハードワークを単純に肯定・否定するのではなく、「何をもって評価され、どう成長機会や報酬につながるのか」を構造として設計し、現場が納得できる形で運用に落とし込むことが求められます。
本レポートが、評価・育成の見直しや納得感と成果を両立する組織づくりの一助となれば幸いです。
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