【2025年採用戦略調査レポート】企業規模別の施策トレンドと成功事例

少子高齢化などにより人材難が続く中、人事領域の課題として真っ先にあげられることも多い採用戦略。企業は自社のニーズにあった人材を採用するにあたって、どのような課題に直面し、どのような施策を行なっているのでしょうか。こうした採用における課題や施策トレンドを明らかにするために、企業の経営・人事部門308名を対象に「採用の施策振り返り調査」を実施しました。
本記事では、新卒採用・中途採用の戦略のポイントや企業規模別の施策トレンド、成功事例をまとめています。
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※ダウンロードできるレポートは、こちらの記事で紹介した『「2024年人事施策の振り返りと2025年の展望」調査レポート』と同じ内容のものです。
目次
調査結果サマリ
【調査概要】
調査対象:従業員規模10〜5,000名以上の一般企業に勤務する人事部門の方
調査期間:2024年12月1日〜12月9日
サンプル数:308名
調査方法:Webアンケート調査
主な調査結果
・新卒採用では「インターン採用」など、学生との直接的な接点が重要視されている一方、中途採用では「人材紹介(エージェント)」や「ダイレクトリクルーティング」が主流で、コスト効率やリーチ拡大を見込み、SNS・オウンドメディアの活用も増している。
・大企業ではリソースを活用した長期的視点の採用施策(リクルーター制度やイベント活用)が多く、中小企業では効率性や課題解決を重視した施策(メール配信やSPI導入)が成功の鍵となっている。
・新卒・中途採用ともに、認知拡大や企業文化の発信が課題となっており、今後はブランド構築と効率的なターゲティングを両立させる施策が求められる。
新卒採用で最も多くの企業が力を入れた取り組みは「インターン採用」

新卒採用で最も実施した企業が多い取り組みは「インターン採用」で19.4%、次に「人材紹介(エージェント)」で14.5%でした。一方で「SNS採用・動画採用」の割合は4.7%と取り組む企業が少なく、このような傾向から学生との直接的な接点やマッチング効率をより重視する企業が多いことがうかがえます。
中途採用では「人材紹介」や「ダイレクトリクルーティング」に取り組む企業が多い

中途採用では「人材紹介(エージェント)」が29.2%で最も多く、次に「ダイレクトリクルーティング」が21.4%と、この2つの施策に取り組んだ企業が過半数を占めています。このことから、求職者側の応募を受け身で待つのではなく、自社が欲しい人材に人材紹介会社やスカウトを通じて積極的に接点持っていく動きが広がっていることがうかがえます。
一方で、「オウンドメディアの運営」が8.1%、「SNS・動画採用」は6.1%とメディアを活用している企業の割合も一定あり、コスト効率やリーチ拡大への期待から、認知拡大や企業ブランディングにも注力する企業がいることがわかります。
大企業はブランド力やリソース活用、中小企業は効率性の改善により成功に繋げた事例が多い傾向

企業規模別に成功した採用施策を見てみると、大企業は「イベント出展と組み合わせた中吊り広告」や「若手社員のリクルーター起用」などの広報や若手社員などを巻き込んだ事例が目立ち、大企業ならではのブランド力や豊富なリソースを活かした施策が成功につながっていることがうかがえます。
一方で、中小企業は「リモート面接の実施拡大」や「本社一括採用への変更」など、限られたリソースで効率的に採用を行うための取り組みや、自社特有の課題解決に向けた施策に取り組んでいる企業が多いことがわかります。
また、「対話形式の動画コンテンツ作成」や「面接内容を踏まえた魅力紹介メールの送付」など、企業規模にかかわらず双方向・パーソナライズ化されたコミュニケーションに取り組む企業も多い印象です。
新卒採用は「ブランディング」と「チャネル最適化」が大きな課題

新卒採用を進める上で課題としては「採用ブランディングの強化」が19.8%、次に「採用チャンネルの多様化や最適化」が15.6%と多いという結果になりました。学生の価値観の多様化やSNSなどデジタル活用が進む中で、限られた選考時期にいかに効率よく自社の魅力を訴求するか模索している企業が多いことがうかがえます。
中途採用は「ブランディング構築」と「選考スピードと質の両立」が課題

中途採用の課題としては、新卒採用と同様「採用ブランディングの強化」が30.8%と最も多い一方で「採用スピードと質の両立」が29.9%と次に多く、ブランディング構築とともに、企業間での人材獲得競争の激化から、魅力的な人材を確実に獲得するためにはスピード感のある選考・レスポンスが求められている企業の状況がうかがえます。
まとめ
労働市場の競争激化に伴い、企業の採用戦略は早期接点やブランディングの強化がますます重視されています。「新卒採用」では、学生との接点を重視した魅力的な体験提供に力を入れつつも、大企業ではフォロー体制の整備など、定着率を高める取り組みも必要になっています。「中途採用」では、即戦力確保の観点でスピード・柔軟性・ターゲットの明確化がより重要であり、特に中小企業ではリソース不足の中でどのように質の担保を実現していくかが鍵になります。
採用施策の効果を最大化するためには、企業規模や採用目的に応じた柔軟かつ戦略的なアプローチが求められます。デジタル施策を適切に活用しながら、効率性と選考精度の向上を両立させることで、より効果的な採用活動の実現が可能となるでしょう。
この調査結果が、2025年の採用戦略立案の参考になれば幸いです。
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