「辞めたい」若手の“やりがい”ギャップを可視化ーZ世代の継続・退職意向調査【第2弾】

プレスリリース

株式会社コーナーは、入社1〜3年目のZ世代で1度は辞めたいと思った514名を対象に、「継続・退職意向と期待ー実態ギャップ」に関する調査を実施しました(n=514、2025年8月29日〜9月4日)。回答者を「退職志向層」と「継続志向層」に分類し、不満項目→不安の情報源→やりがいと働きやすさの両立実感→転職時条件の順に同一サンプルで比較しています。

詳細ダウンロード:https://go.corner-inc.co.jp/l/1007322/2025-10-19/6wjxlw

調査サマリー

・【不満の核】退職志向層は報酬(給与・賞与)と昇給/昇格スピード・仕事の裁量・働き方で不満の度合いが高い。
・【働きやすさとやりがい実感】退職志向層は「両立して当然」と考え、継続志向層は「両立は難しい」と受け止めている。両立実感は継続志向層32.3%、退職志向層16.6%と2倍近い差がある。
・【情報源の影響】不安や期待を最も左右するのは現場の語り(上司・同僚)と自分の体験同世代の横比較・口コミは不安側経営発信は期待側に働く。
・【転職時に求める条件】トップは共通して待遇保証。継続志向層は柔軟な働き方・成長機会、退職志向層は成果の報酬反映(公正さ・反映スピード)を相対的に重視する。

※用語説明
本調査では、1年以内〜いずれ辞めると回答した層を「退職志向層」、しばらく継続したいと回答した層を「継続志向層」と定義

主な調査結果

【不満項目の実態】

起点として、不満がどこに集中しているかを確認したところ、ギャップが10ポイント以上となったのは「人間関係・職場の雰囲気」「給与・待遇」「仕事の裁量」「柔軟な働き方」の4項目。人間関係・雰囲気は退職志向層23.7%、継続志向層7.9%(差分15.8pt)。給与・待遇は43.4%と29.9%(13.5pt)。仕事の裁量は15.1%と3.7%(11.4pt)。柔軟な働き方は20.3%と9.8%(10.5pt)。

【不安を感じるきっかけ】

上記の不満が、どの情報に触れると強まるのかを尋ねる設問では、「同僚・先輩・上司からの話」が34.6%で最多となっている。


【やりがいと働きやすさの両立実感】

やりがい・働きやすさについて、継続志向層は約3割が両立を実現しているのに対し、退職志向層はその約半分(16.6%)の回答になっている。しかし、どちらの層も共通して「働きやすいがやりがいはない」が最も多く、やりがいは感じにくいことが特徴として浮かび上がっている。

【転職時に叶えたい条件】

最後に、こうした認識が転職行動の条件選好にどのように表出しているかを確認したところ、両層とも最多は「給与・待遇が十分に保証されている」で、退職志向層55.1%、継続志向層64.6%となっている。継続志向層は働き方・育成も相対的に重視し、退職志向層は成果・スキルの報酬反映や裁量など、やりがいを求める傾向にあり、メンター制度や上司によるサポートへのニーズも相対的に高い。

解説 コーナー 代表取締役CHRO 門馬貴裕

今回の調査は、報酬は前提としつつ、若手の定着を左右するのが人間関係や裁量などの“環境面の体験”であることを示しました。
新卒1〜3年目は成長→評価→報酬反映の短いサイクルを期待しやすく、そのリードタイムの長さや不透明さが不満に直結します。一方、継続志向層にも共通して「やりがい不足」は見られるものの、上司や同僚との人間関係の満足が定着の支えになっています。身近な存在の語りは期待にも不安にも作用する点に留意し、日々の承認や称賛、建設的な1on1など、“良い語り”が増えるような運用が効果的でしょう。
キャリアが流動化する今、Z世代の価値観を認め、より短い評価サイクルと現場運用で手応えを可視化することが、納得と信頼を高める近道だと考えます。

調査概要

調査タイトル:「Z世代の継続・退職意向」調査
調査対象:Z世代(1996年以降生まれ)で新卒入社した企業に在籍する入社3年目までの正社員
調査期間:2025年8月29日〜9月4日
サンプル数:514名(新卒1年目256件、新卒2・3年目258件)
調査実施者:株式会社コーナー/マクロミル
調査方法:Webアンケート調査

本調査レポートのダウンロード

本調査の詳細版資料およびデータ提供ご希望の方は、以下よりダウンロードしてください。離職予防や定着促進の人事施策の企画・検討にぜひお役立てください。
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