【インタビュー】わずか半年で採用数が約5倍に。初めてのパラレルワーカー活用で得られた成果とは~(ブリッジコンサルティンググループ株式会社様 ×パラレルワーカー 粟野氏)
コーナーへのご依頼やお問い合わせはこちら。
コーナーの「人事・採用のパラレルワーカーシェアリングサービス」を利用されて、大変に成果を挙げられている企業さまがいる。その全貌を明らかにするべく、今回はブリッジコンサルティンググループ株式会社 代表取締役CEOである宮崎さまと、パートナーとしてご活躍されたパワレルワーカーである粟野さんにお話を伺った。
社員数十名規模の中小企業やスタートアップにおいては、専任の人事担当者がおらず、代表自らが採用実務を担っているケースは少なくありません。今回取材したブリッジコンサルティンググループ株式会社においても、代表取締役CEOの宮崎さんが大半の実務を担っており、いよいよその体制に限界を感じてパラレルワーカーの活用に踏み切ったといいます。
結果として、採用数は半年間でそれまでの約5倍まで伸長。これだけの成果の背景には、どんなエピソードがあったのでしょうか。ブリッジコンサルティング
グループ株式会社に「初めての専任人事」としてジョインしたパラレルワーカーの粟野さんにも参加いただき、その実際のところをインタビューしました。
<プロフィール>
宮崎 良一/ブリッジコンサルティンググループ株式会社 代表取締役CEO
大手監査法人にて会計監査・IPO支援業務・内部統制支援業務・IFRS導入支援業務等、さまざまな業務を経験。5年間の監査法人経験を得て、2011年10月に株式会社Bridge(現ブリッジコンサルティンググループ株式会社)を設立し代表取締役CEOに就任。その後、多数の成長企業を中心に経営管理コンサルティング業務に従事。人間関係を大切にし、クライアントと同じ立場にたち、当事者として全力で業務に従事することをモットーとしている。
<プロフィール>
粟野 友樹/パラレルワーカー
求人広告、外資系金融機関で営業として勤務した後、人材会社2社でキャリアコンサルタントとして約500名の転職支援を実現する傍ら、組織マネジメントを経験。約11年に渡り企業側(採用)とエージェント側(個人/法人)の両方の経験をもとに、2018年10月よりフリーランスとして独立。複数企業において、採用支援コンサルや個人の転職支援を行っている。
目次
外部人材活用に至った背景と、粟野さんとの出会い
───粟野さんにジョインいただく前は、代表の宮崎さん自らが採用実務を担当していたと聞きました。マンパワー的なことが外部人材活用のきっかけだったのでしょうか?
宮崎さん: もちろんそれもありますが、より採用を加速するためには「専門的なノウハウ」が必要だと考えたのがきっかけです。
粟野さんと出会う前、当社はまだ社員20名程度の組織でした。専任の採用担当者がおらず、代表の私がメイン担当となって①リファーラル ②ダイレクトソーシング ③人材紹介 の3つの採用手法を運営していたのです。しかし、実質動かせていたのは①のリファーラルのみ。前職の知人や紹介してもらった方などに声をかけ、年3~4名の採用につなげていた形です。
そのつながりにも限界を感じ始めた頃、さらに採用も加速させようというタイミングも重なって。これはいよいよダイレクトソーシングや人材紹介などの手法も動かさなくてはと思いました。単に運用するだけであれば、リファーラル運用を手伝ってくれていた社内メンバーなどにお願いすることは可能だったかもしれません。しかし、自分で採用活動をしてみて感じたのですが、人材採用にはかなり特殊で専門的なノウハウが必要です。自社の魅力を理解・整理し、それを採用ターゲットにどう伝えるか。そういったノウハウが社内にはほとんどないことに気づいたのです。
そこで早速コーナーに「採用をコンサルできる人と会いたい」とオーダー。3名ほどご紹介いただいた方の中から、ご経験はもちろん、共に働くイメージを最も持てた粟野さんと一緒に、「半年で11名の採用目標」を掲げてプロジェクトをスタートさせました。2019年11月半ばくらいのことです。
課題であったダイレクトソーシングや人材紹介の運用については、これまでにも多数実績があるため自信がありました。ただ唯一不安だったのは「公認会計士」の即戦力人材採用である点です。全国に3万人程度しかいない希少な人材であり、私自身もほぼ未経験の領域。ここは公認会計士について勉強し、彼らにブリッジコンサルティンググループの魅力を伝えるにはどうすれば良いかということを見つけていくしかないなと考えていました。
プロジェクトスタート、そして協力体制の構築へ
───実際にプロジェクトを進めるにあたり、どんなところから手をつけていきましたか?
宮崎さん: まずは粟野さんに、「ダイレクトソーシングと人材紹介も活用して、半年で11名採用したい」という要望をシンプルに伝えました。その上で粟野さんが現状を確認するようにヒアリングしてくれて、以下のような採用課題が明らかになったのです。
・ダイレクトソーシング…1人ひとりに合わせたスカウト文面のカスタマイズまで手が回っておらず、同一文面を一斉に対象者に送信するのみ。返信率を上げ切れてない、意向を高め切れていないことが課題。
・人材紹介…エージェントの方とのやりとりをタイムリーに行うことが難しく、協業が進まずに推薦が増やせていない。どんな情報があれば求職者の応募意思を獲得できるかといった明確な戦略がない。
結果的に母集団形成ができていないことはおろか、自社の魅力や採用対象者の理解もなかなか進められず、効果的な採用活動が行えていない状態でした。
粟野さん: 宮崎さんがこれまでやられていたように、社長業をやりながら細かく採用活動を行っていくことは、工数的にもノウハウ的にも非常に難しいものです。そのため、そこを専任人事として私が細かく対応していくだけでも、一定の成果は上げられると考えました。
また、もう1つ非常にやりやすかった点があります。それは、「採用の土台」が概ねあったということです。例えば、社内には過去の採用に関する数値やデータがしっかりと残されていました。そのデータから逆算し、半年で11名の採用目標を達成するためには、どれだけの応募を獲得する必要があるのか、といったKPIを組むことができたのです。それ以外にも求職者向けのパンフレットがすでに手元にあるなど、活用できるものがいくつもあったことで、目標達成へ道筋を早い段階でイメージすることができました。
───粟野さんに採用業務を任せるにあたり、工夫したポイントを教えてください。
宮崎さん: まず初めに、社内の主要メンバー4名と顔合わせしてもらうことにしました。各部門とのやりとりをスムーズにすることはもちろん、会社や公認会計士という専門分野についても理解を深めてもらうことが狙いです。
他にも週一で私との定例MTGの時間を設定したり、役員会に毎回参加してもらったり、Teamsなどのツールを使ってもらったり。情報連携やコミュニケーションができるだけタイムリーに行えるように環境を整えました。採用専任担当として多くをお任せする以上、会社としてもできる限り情報をオープンにして、粟野さんが動きやすくなるようにと考えていました。
粟野さん: 最初に社内とつないでもらえたことで、後々の業務が本当に進めやすくなりました。また、社員に近い形で情報やコミュニケーションラインをオープンにしてもらえたことも、動きやすいと感じた大きな理由です。会社によっては情報の取り扱いに慎重なところも多く、外部人材が必要な情報にアクセスしきれないことも少なくありません。それぞれ事情があることは理解していますが、できる限りオープンな体制を組んでいただけると、パラレルワーカーとしても「そこまでしてくれるからにはやらないと」という気持ちにもなります。
また、役員の方などにインタビューする機会も多くいただき、公認会計士の方が転職において何を重要視するかについても考察を深めることができました。その結果、「ブリッジコンサルティンググループの魅力は、転職経験がある方のほうが伝わりやすい」といったtipsも発見でき、採用力の向上に大きく貢献することができたと思います。
半年で11名の採用成功、そして社内に生まれた変化
───これまで年間3~4名だったのが、半年で11名採用。リファーラル以外の採用手法でも成功を納め、自社採用力が大きく向上したと思います。この成果を振り返ってどう感じますか?
宮崎さん: 元々の課題であったダイレクトソーシングや人材紹介の運用ができるようになったこと、採用人数が大幅にアップしたことなど、目に見えるものだけでもこれだけの成果がありました。でも、それ以上に大きな成果として感じているのが、自社採用力の向上により「既存社員の自信が高まった」ことです。
というのも、粟野さんと出会う前は採用において“負け癖”がついてしまっていました。こちらが「ぜひ来てほしい!」と思うような人材が選考中に辞退してしまうケースも多く、「うちの会社ってそんなに魅力がないのかな…」と社員が落胆してしまうこともしばしばあったのです。成長中のスタートアップ企業は特に自社を魅力的に感じている社員が多く、そうやって辞退されてしまうと自社を否定されているような気分になりやすいのです。
しかし、粟野さんに採用を担ってもらってからは、選考の前段階から的確で細やかな情報提供をできるようになり著しく辞退率が低下。「ぜひブリッジコンサルティンググループに入社したい!」と言ってもらえる機会も増え、「あれだけの経験者がうちを選ぶなんて、やっぱり魅力ある会社なんだ!」と、社員としても会社をさらに誇りに感じてもらえるようになったのです。これは本当に大きな成果でした。
粟野さん: そういってもらえるのは本当に嬉しいですね。私が関与する前の雰囲気まではわからないですが、確かに「経験者をちゃんと採用できる」というムードを社内に持ってもらうことは一定できたかなと感じています。
成果をしっかり出せたことで、役員の方からオンラインワークツールで「次はこんな人を採用したいんだけど」と直接相談をもらうことも増えてきました。「さすがに決定権まではないので、一度宮崎さんに話を通してください(笑)」と伝えることもしばしば。自社採用力が上がることで、ポジティブな事業戦略を描いてもらいやすくなる。その一助となれたことは、パラレルワーカーとしても大きな価値を提供できたと感じられる瞬間です。
───これから外部人材活用を検討されている企業さまへ向けて、メッセージをお願いします。
宮崎さん: 専任の採用担当がいない会社は、活用しない手はないと思います。この採用難の時代、片手間で採用がうまく行くほど簡単ではありません。かといって即戦力人材を社員として採用するには、時間もお金も掛かります。
また、我々のような規模の会社であれば、採用活動にも波があります。大きく採用したいときもあれば、そうではないときもある。アクセルを踏みたいときに集中して力を借りることができる外部人材の存在は、コスト的にもパフォーマンス的にもとてもメリットの大きいものです。
唯一デメリットがあるとすれば、結果が出るので辞められなくなることでしょうか(笑)。もううちは粟野さんなしの採用活動は考えられませんから。
粟野さん: 嬉しいお言葉ありがとうございます(笑)。これだけの成果を残せたのも、宮崎さんをはじめブリッジコンサルティンググループの皆さまが非常に協力的だったから。フリーランスで人事領域を専門でやっているとはいえ、オールマイティにすべての領域に精通しているわけではありません。私が公認会計士について今回学んだように、社内の協力があって進められることも多くあるのです。
また、先ほどもお伝えしましたが、「任せてもらえればもらうほど、やってやろうという気分になる」というのがパラレルワーカー心理なのかなと。もちろん丸投げではいけませんが、外部人材であっても信用して任せてくれるという会社の姿勢が、互いにやりやすさを生み、大きな成果につながるのだと思います。
───どうもありがとうございました。
編集後記
採用数を伸ばすなどの具体的な成果を期待して、パラレルワーカーなどの外部人材の活用を検討する企業は近年増えてきました。実際に今回のケースでもスタートアップ企業の「1人目人事」として、半年で11名もの即戦力人材の採用に成功するなど、目覚ましい成果が出ています。
しかし、成果はそこだけに留まりません。社内に自社採用力という形でノウハウが残ったり、「採用できる」という自信が事業にポジティブな影響をもたらしたり、、、といったことも、ならではの成果と言えるでしょう。自社の課題にマッチした外部人材と出会うこと、そして期待を込めてお任せし動きやすい体制を整えること。これらが実践できれば、これまでに社内人材だけでは得ることができなかった成果を手にすることができるかもしれません。
[cta id=’35’]
[cta id=’38’]