「離職防止」が機能しない本当の理由と、組織開発として捉え直す視点を解説
「1on1を導入した」「サーベイを始めた」「福利厚生を充実させた」——それでも離職は止まらない。そんな課題感を持つ企業も多いのではないでしょうか。
背景には、「離職防止」が対症療法に陥っているという構造的な問題があります。人材獲得競争が激化する中、「辞めさせない仕組み」だけを追いかける発想には限界が生まれつつあります。
今回は、「人事制度の設計・運用」と「管理職・上司育成」を専門とする株式会社NCコンサルティング 代表取締役社長の大橋 高広さんに、「離職防止」の考え方から、離職が起こる本質的な要因、施策設計・運用のポイント、実際の支援事例に至るまでお話を伺いました。
<プロフィール>
大橋高広(おおはし たかひろ)/株式会社NCコンサルティング 代表取締役社長
「人事制度の設計・運用」と「管理職・上司育成」の専門家。大学卒業後、通信企業で飛び込み営業、経済団体で経営支援、製造業で総務経理に従事し独立。2015年に株式会社NCコンサルティングを設立し、支援実績は100社以上。またビジネス作家として商業出版を3冊上梓し、累計発行部数は15,000部以上。日本全国で実践事例を踏まえた研修・コンサルティングを提供。▶このパラレルワーカーへのご相談はこちら
目次
「離職防止」とは何を指すのか——離職理由への対症療法
──人事の現場で「離職防止」という言葉が使われるとき、実際にどんな施策が想定されているのでしょうか。
「離職防止」という言葉が現場で指す施策は、大きく二つに分けられます。一つは「不満の除去」を目的とした施策です。長時間労働の是正、給与水準の見直し、ハラスメント対応、福利厚生の拡充などが該当します。もう一つは「定着促進」を目的とした施策です。1on1、メンター制度、エンゲージメントサーベイ、社内公募制度などが代表例です。
いずれも重要な施策ですが、多くの企業では「離職リスクが高まってから対応する」という運用になりがちです。退職の申し出やエンゲージメント低下が表面化してから動く状態では、根本的な組織課題は残り続けてしまいます。
退職理由の見誤りが成果の出ない施策を増やす
離職防止が対症療法に留まりやすい背景には、「退職理由のホンネとタテマエのギャップ」があります。
退職面談では、「キャリアアップしたい」「新しい挑戦がしたい」といった前向きな理由が語られることが少なくありません。しかし実際には、「上司との関係」「評価への不満」「組織への諦め」といった要因が背景にあるケースも多くあります。
ただし、退職面談だけで本音を把握することは容易ではありません。退職者自身も「最後に波風を立てたくない」「今さら伝えても変わらない」と考え、本音を語らないことがあるためです。
実務上、本音とのズレを見極めるには、退職面談よりも日常的な1on1の積み重ねが重要になります。普段の対話の中で語られていた内容や温度感を把握していると、「以前は積極的に話していたのに急に発言が減った」「キャリアの話をしなくなった」といった変化に気づきやすくなります。実際には、こうした変化が転職活動のサインになっていることも少なくありません。
また、退職者本人から本音を聞き出せない場合でも、普段から関係の深い同僚や、社外のコンサルタント・顧問など第三者を通じて背景が見えてくるケースがあります。従業員は人事や上司には言いにくいことでも、信頼する同僚や利害関係の少ない第三者には本音を話していることがあるためです。
そして興味深いのは、本音の退職理由として挙がるのは「給与が低い」よりも、「上司との関係」「評価への不満」「組織への諦め」であることが多い点です。もちろん給与水準が極端に低いケースは別ですが、多くの場合、離職の背景には人間関係や組織運営に関する問題が潜んでいます。
その状態のまま施策を設計すると、本来向き合うべき組織課題を捉えきれず、「施策は増えているのに成果が出ない」という状況につながりやすくなります。
なぜ離職防止に取り組んでも成果が出ないのか
──施策は増えているのに離職率が下がらないという状況は、なぜ起きるのでしょうか。根本的な構造を教えてください。
「施策は打っているのに離職が止まらない」という状況は、多くの場合、以下の3つの構造的な問題から生じています。
■構造①:衛生要因の改善だけでは動機づけにならない
組織行動論における「衛生要因・動機付け要因」(ハーズバーグの二要因理論)で整理すると、給与・労働環境・福利厚生などの衛生要因は「不満を減らす」ことはできても、「この会社で働き続けたい」という積極的な動機を生み出すことは難しいとされています。実際、多くの企業の離職防止施策は、給与改定や福利厚生の拡充、オフィス環境の改善など、比較的取り組みやすい衛生要因に集中しがちです。もちろん、これらは重要な施策ですが、それだけで定着率が大きく改善するケースは多くありません。
例えば、給与が数万円上がったり、福利厚生が充実したり、働きやすいオフィス環境が整ったりしても、それだけを理由に長く働き続けようと考える人は決して多くないでしょう。
一方で、離職防止において見落とされやすいのが動機付け要因です。仕事の達成感や成長実感に加えて、「この人たちとこれからも一緒に働きたい」と思える人間関係や組織への信頼感も重要な要素になります。
■構造②:管理職のマネジメントスキルが十分に育っていない
離職理由の調査では、「上司との関係」「評価への不満」「職場の人間関係」が常に上位に挙がります。実際、多くの離職は直属の上司との関係性やマネジメントの質に大きく影響されています。しかし、人事部門が制度を整えただけで管理職の行動が変わるわけではありません。マネジメント研修を実施しても、現場に戻ると従来のやり方に戻ってしまうケースは少なくありません。
その背景には、多くの管理職が「マネジメント能力」で昇進したのではなく、「実務能力」で評価されて昇進しているという現実があります。人事側が「管理職なのだからできて当然」と考えてしまうと、現場とのギャップは埋まりません。
重要なのは、管理職をマネジメントの初心者として捉え、ゼロから育成する視点です。何が良いマネジメントなのか、どのように部下と対話すればよいのかを、実践を通じて学べる仕組みがなければ、離職の原因となる管理職問題は解消しにくいでしょう。
■構造③:「早期」に打ち手を打てていない
離職を決意する従業員の多くは、退職を申し出る数か月前、場合によっては1年以上前からエンゲージメントが低下しています。そのため、退職面談で初めて課題を把握するようでは、すでに手遅れに近い状態です。そこで注目されるのが、エンゲージメントサーベイや1on1です。しかし、これらも導入しただけでは機能しません。
例えばサーベイでは、従業員が本音で回答しているとは限りません。さらに、調査で課題が見つかっても具体的な改善施策につながらず、「調査して終わり」になってしまう企業も少なくありません。その結果、現場からは「また人事の自己満足のサーベイが始まった」と受け取られてしまうこともあります。
また、1on1も形だけでは意味がありません。シートに沿って質問するだけ、目標進捗の確認だけで終わるのであれば、通常の業務面談と大きな違いはありません。離職の予兆を早期に捉えるためには、日常的な対話の積み重ねが不可欠です。普段の1on1で語られていた内容や態度が変化したり、発言が減ったり、急に有給取得が増えたりといった小さな変化を捉えることで、初めて離職リスクを察知できます。
その意味で、離職防止はサーベイや1on1という「制度」の問題ではなく、それを運用する管理職のマネジメント力の問題とも言えます。離職防止を本気で進めるのであれば、制度導入以上に、管理職が部下との対話や育成を実践できる状態をつくることが重要です。

離職防止を難しくしている落とし穴
──取り組みを進める上でよく陥る「落とし穴」を教えてください。人事部長が見落としやすいポイントはどこでしょうか。
■落とし穴①:「離職率」という指標に引きずられる
離職率は可視化しやすい指標ですが、「下がれば成功」という単純な見方は危険です。離職率が下がっていても、実際には仕事に不満を抱えながら「辞めたくても辞められない」状態の社員が増えているだけというケースもあります。組織心理学では、このような状態を「存続的コミットメント」が高い状態と表現します。この状態では離職率は低下しても、従業員のパフォーマンスや組織の活力が下がっている可能性があります。
また、別の観点から見ると、「誰も辞めない組織」が必ずしも健全とは限りません。人事評価制度やマネジメントが適切に機能していない場合、本来は組織に適応できていない人や成果を出せていない人まで定着し続けることがあります。その結果、組織への貢献度が高い人材ほど不公平感を抱き、離職してしまうケースも少なくありません。
本来目指すべきなのは、単に離職率を下げることではなく、「この会社で働き続けたい」と主体的に感じられる社員が定着し、組織に合わない人材は自然に入れ替わる状態です。離職率の低下は、その結果として現れるものと捉える必要があります。
■落とし穴②:「全員一律」の施策設計
1on1、エンゲージメントサーベイ、メンター制度——これらの施策は、全社一斉に展開すると形骸化しやすい傾向があります。特に1on1は、実施回数や時間を管理しても、会話の質や心理的安全性が担保されなければ意味をなしません。また、サーベイも実施するだけでは効果は限定的です。従業員が本音を回答していないケースも多く、調査結果をもとに具体的な改善策が打たれなければ、現場からは「また人事の自己満足の施策だ」と受け取られてしまうこともあります。
制度を作ることと、制度が機能することは別問題です。その差を埋めるのは、現場の管理職の意識とマネジメントスキルです。
■落とし穴③:離職を「個人の問題」として処理する
「あの人は合わなかった」「キャリア志向が高すぎた」という解釈で離職を個人の問題に帰属させると、組織課題の発見機会を失います。一人の離職の裏には、同じような不満を抱えながらまだ残っている複数の社員がいる可能性があります。離職を「組織のシグナル」として捉え、「なぜこの部署で離職が続いたのか」「なぜこの時期に集中したのか」という視点で分析することが重要です。
■落とし穴④:離職を「お金の問題」と決めつける
人材が辞める理由や採用が難しい理由を、「給与が低いから」と捉える企業は少なくありません。しかし実際には、退職者の本音を深掘りすると、「上司との関係」「評価への不満」「組織への諦め」といった要因が背景にあるケースが多く見られます。
もちろん、給与水準が著しく低い場合は改善が必要です。しかし、多くの企業では給与制度そのものよりも、評価制度や育成の仕組みに課題があることが少なくありません。
実際、若手人材を対象とした調査でも、「公平な人事評価が実施されること」「教育体制があること」を重視する傾向が継続して見られます。離職防止を考える際には、賃金制度の見直しだけでなく、適切な評価や育成が行われる環境を整備できているかという視点も欠かせません。
組織開発として捉え直す「離職防止」の視点
──「対症療法ではない離職防止」とはどういうものか。組織開発的な観点から教えてください。
「離職防止」を組織開発として捉え直すとは、「辞めさせない」という守りの発想から、「ここで働き続けることが、社員自身の市場価値やキャリア形成につながる」と感じられる状態を設計する発想への転換です。この観点から見たとき、重要になるのは以下の3つの軸です。
■軸①:関係性の質に働きかける
離職防止というと、制度や仕組みの改善に目が向きがちです。しかし実際には、上司との関係性やチーム内のコミュニケーション、心理的安全性など、「日常の関係性」が従業員の定着に大きく影響します。
人事が制度を整えるだけでは、現場での行動や組織風土までは変わりません。だからこそ、1on1や対話の質、管理職とメンバーの関係性改善など、「現場でどんなコミュニケーションが行われているか」に踏み込むことが、組織開発的な離職防止の重要なポイントになります。
■軸②:「辞めたくない」ではなく「ここで成長したい」状態を設計する
「辞めにくい環境」をつくることで離職率を下げるアプローチは、短期的には効果があっても、組織の活力低下につながる場合があります。
重要なのは、社員が「この組織で働き続けることが、自分の成長やキャリアにつながる」と感じられる状態をつくることです。適切なストレッチアサインメント、キャリア面談、成長実感を得られるフィードバックなど、“ここで働く意味”を実感できる仕組みが、組織への主体的なコミットメントにつながります。
■軸③:配置・マネジメントのミスマッチを減らす
離職の背景には、制度や待遇だけでは説明できない「上司との相性」や「配属先とのミスマッチ」が存在します。いわゆる「上司ガチャ」「配属ガチャ」と呼ばれる問題です。
どれだけ魅力的な制度を整えていても、相性の合わない上司のもとで働き続けたり、自身の志向とかけ離れた業務や勤務地に配置されたりすると、従業員のエンゲージメントは低下しやすくなります。実際、離職理由として表面的には「キャリアアップ」や「新しい挑戦」が語られていても、その背景に上司との関係性や配属への不満が隠れているケースは少なくありません。
そのため、離職防止を組織開発として捉えるのであれば、業務上の都合だけで人員配置を決めるのではなく、個人の強み・価値観・キャリア志向・コミュニケーション特性なども踏まえた配置を検討することが重要です。
もちろん、組織規模や人員構成の制約から、すべての希望や相性を考慮することは現実的ではありません。しかし、「誰と働くか」「どこで働くか」が離職に大きな影響を与えるという前提に立ち、可能な範囲でミスマッチを減らしていくことは、離職防止における重要な取り組みの一つと言えるでしょう。
■軸④:離職を「改善の機会」として組織に還元する
組織開発的な離職防止では、「離職をゼロにすること」だけを目的にしません。重要なのは、離職から何を学び、次の組織改善につなげるかです。
退職者インタビューで得た情報を人事だけで抱え込むのではなく、管理職や経営層とも共有し、「なぜこの部署で離職が起きたのか」「どんな組織課題が背景にあるのか」を振り返ることが重要です。
「なぜ辞めたか」を「どう変えるか」につなげるサイクルが回り始めて初めて、離職防止は単なる対症療法ではなく、組織改善の取り組みへと変わっていきます。
離職防止を機能させるための見直しポイント
──実際に施策を見直す際、どこから手をつければいいでしょうか。優先すべき見直しポイントがあれば教えてください。
「何から見直せばいいかわからない」という声は少なくありません。ただ、離職防止には“これをやれば正解”という万能な施策があるわけではなく、組織の規模や文化、現在抱えている課題によって、優先すべきポイントは異なります。
その前提を踏まえたうえで、ここでは多くの企業で見直しが必要になりやすいポイントを整理します。
■見直しポイント①:離職データの読み方を変える
「離職率」という一つの数字だけでなく、「どの部署で」「どの年次の社員が」「入社から何年目に」「どんな背景で」辞めているのかを多角的に分析します。特定の管理職配下で離職が集中していないか、特定の時期(評価後・昇進後・プロジェクト完了後など)に偏りがないかを確認することで、対処すべき組織課題が見えてきます。
ただし、離職データの分析で注意したいのは、人事や経営層の思い込みで解釈しないことです。
例えば若手社員の離職が続くと、「最近の若手は根性がない」「競合企業が初任給を上げたからだ」といった解釈をしてしまうケースがあります。しかし、実際には評価への不満や成長実感の欠如、上司との関係性が原因になっていることも少なくありません。
離職データは数字だけで判断するのではなく、他社事例や最新の人材トレンドも踏まえながら解釈することが重要です。必要に応じて外部専門家の視点を取り入れることで、自社だけでは見えない課題が見つかることもあります。
■見直しポイント②:「管理職の育成」を離職防止の中核に置く
離職防止に最も大きな影響を与えるのは、直属の管理職の言動です。人事制度を整えても、現場での関係性やマネジメントが機能していなければ定着にはつながりません。そのため、マネジメント研修を実施するだけでなく、実践を通じてマネジメントスキルを高める仕組みづくりが重要です。
多くの管理職は、自身が質の高い1on1を受けた経験がなく、体系的なトレーニングも十分に受けていません。そのため、研修を一度実施するだけでは行動変容につながりにくいのが実情です。
現場では「数字を上げることが優先」「忙しくて新たな取り組みに時間を割けない」といった声も少なくありません。しかし、管理職育成は短時間で実施できる施策に置き換えれば解決するものではなく、継続的な実践とフィードバックを通じて習慣化していくことが重要です。
例えば、直属上司と部下の1on1に人事担当者や外部専門家が同席する「2on1ミーティング」は、管理職への実践的な支援方法の一つです。外部専門家が対話の進行やフィードバックだけでなく、目標設定や進捗管理まで伴走することで、現場の負担を抑えながら管理職の行動変容を支援できます。
また、組織変革に抵抗を示す管理職が、部下の成長や離職の原因を「採用の問題」と捉えてしまうケースも少なくありません。こうした管理職は組織のボトルネックになりやすいため、人事だけで抱え込むのではなく、必要に応じて外部専門家の力を借りながら改善を進めることも有効な選択肢です。
重要なのは施策そのものではなく、管理職が日々のマネジメントを振り返り、改善し続けられる環境をつくることです。
■見直しポイント③:サーベイの「結果の出し方」と「使い方」を変える
エンゲージメントサーベイを導入している企業は増えていますが、「結果を見て終わり」では機能しません。そもそも従業員がサーベイで本音を回答しているとは限りません。また、課題が見つかっても改善施策が打たれなければ、現場からは「調査するだけで何も変わらない」という不信感を持たれてしまいます。
重要なのは、スコアを評価することではなく、その結果を現場の対話や行動変容につなげることです。例えば、スコアが低い部署に数値だけを共有するのではなく、「チームの強みは何か」「改善するなら何から着手するか」といった対話の材料として活用することで、サーベイを組織改善につなげやすくなります。
サーベイは調査のためのツールではなく、組織と現場が対話するためのきっかけとして活用することが重要です。
離職防止に取り組んだ事例
──実際に離職防止に取り組んだ企業では、どのような形で施策が機能したのでしょうか。事例を交えて教えてください。
事例:2on1ミーティングを通じて、管理職育成のあり方を見直したケース
ある企業では、優秀な若手社員を採用しても定着せず、数年以内の離職が繰り返されていました。経営陣や人事部では、「管理職のマネジメントに問題があるのではないか」という認識が強く、管理職への負担や責任が大きくなっている状況でした。
そこで実施したのが、直属上司と部下の1on1に外部専門家が同席する「2on1ミーティング」です。
2on1ミーティングでは、専門家が対話をファシリテートしながら職場の実態を把握し、その内容を経営陣や人事部へフィードバックしました。その中で見えてきたのは、若手社員の中には報連相や納期管理、自己学習といった社会人としての基礎スキルに課題を抱えるケースも多く、現場の管理職がその対応に苦慮していたという実態でした。
この結果を受けて、経営陣や人事部は「部下の問題はすべて管理職の責任」という見方を改め、管理職を責めるのではなく、管理職・上司のマネジメントスキルを育成・支援する方針へ転換しました。
その後は、管理職への継続的なフィードバックや育成支援を行い、部下との対話や指導方法を実践的に学ぶ機会を設けました。その結果、職場内のコミュニケーションが改善され、管理職に対する過度な負担感も軽減されました。また、「管理職になることは損な役回り」という空気が薄れ、将来的に管理職を目指したいと考える社員も増えていきました。
この事例が示しているのは、離職防止は制度やツールを導入するだけでは実現できないということです。サーベイやタレントマネジメントシステム、eラーニングも、それ自体が成果を生むわけではありません。現場の実態を把握し、対話を通じて管理職の行動変容を促すことで、初めて離職防止施策は機能し始めます。
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編集後記
離職防止は、単に「辞めさせないための施策」ではなく、社員と組織の関係性をどう築いていくかという“組織づくり”そのものなのだと改めて感じました。制度や仕組みを整えるだけではなく、現場での対話や管理職との関係性、成長実感が揃って初めて、「ここで働き続けたい」という感覚につながっていきます。
不確実性や人材流動化が進む今、重要なのは離職を防ぐことそのものではなく、「この組織で働く意味」をどう設計するか。その問いに向き合い続けることが、組織の持続的な成長につながるのではないでしょうか。








