「パタニティハラスメント(パタハラ)」が起こる原因と予防策について解説

男性労働者が育児休業などの制度を希望・利用したことを理由に、上司や同僚から嫌がらせや不利益な扱いを受けることを指す「パタニティハラスメント(パタハラ)」。こうした行為は法律で禁止されているだけでなく、ハラスメントを許容すると従業員の離職を招き、企業イメージに低下にもつながりかねません。
今回は、「パタニティハラスメント」の概要と具体的なケース、その予防策について、パラレルワーカー 平井 圭子さんにお話を伺いました。
<プロフィール>
平井 圭子(ひらい けいこ)/パラレルワーカー
Deloitte Touche Tohmatsu A&Aに10年間にわたり人事、企画等に従事。その後フリーランスとして独立。業務委託としてDeloitte Touche Tohmatsu A&AのDEI業務推進を10年間担う。同時に中小企業へのHRテック導入支援やキャリアカウンセリング業務に携わる。現在は”HRテック×DEI×キャリア”の掛け算による企業支援を行っている。
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目次
「パタニティハラスメント」とは
──「パタニティハラスメント」とはどのような行為を指すのでしょうか。『マタハラ』との違いも含めて教えてください。
「パタニティハラスメント(以後パタハラ)」は、一般的に『男性労働者が育児のために育児休業等の制度利用・希望したことを理由として、同僚や上司等から嫌がらせなどを受け就業環境を害されること』を指します。
ここには『育児休業の取得』だけでなく、育児のための時短勤務や子の看護休暇など『育児に関連する制度』の利用に関しての嫌がらせも含んでいます。ちなみに、厚生労働省の公式文書では「パタハラ」の用語は用いられていませんが、『職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント』のカテゴリー内で捉えられています。
一方『マタニティハラスメント(以後マタハラ)』は、女性が妊娠や出産を報告した際に上司から退職を促されたり、降格や減給などの不利益な扱いを受けたりするケースを指します。妊婦健診や体調不良による欠勤に対して嫌味を言われたり、業務から外されたりすることもマタハラに該当します。
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「パタハラ」も『マタハラ』も育児について受けるハラスメントですが、『マタハラ』には妊娠や出産についてハラスメント行為を受けることが含まれる点が異なります。また、『マタハラ』の背景には女性の妊娠や出産による一時的な戦力低下への懸念が根底にある場合が多いのに対し、「パタハラ」は休業による一時的な戦力低下に加えて、男性の育児参加が『男らしくない』という性別役割意識に起因することが多いのも違う点です。
──パタハラなどの妊娠・出産・育児に関するハラスメントについて、企業に対してどのような義務が課されているのでしょうか。
パタハラを含む妊娠・出産・育児に関するハラスメントを防止するために、企業に対していくつかの義務が課せられています。これらは主に育児・介護休業法や男女雇用機会均等法によって定められています。2017年1月に育児・介護休業法と男女雇用機会均等法が改正され、『妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント』については以下の5つが企業に義務づけられました。
(1)方針の明確化およびその周知・啓発すること
(2)相談に応じるための体制整備すること
(3)ハラスメント発生事後の迅速かつ適切な対応をすること
(4)ハラスメントの要因を取り除くための措置をおこなうこと
(5)併せて講ずべき措置をおこなうこと
なお、事業主への責務については育児・介護休業法第10条にて定められており、条文により『解雇する・減給する・異動命令を出す』などの不利益な取り扱いが禁止されています。労働者に対する内容も育児・介護休業法第25条の2の4項に記載されており、条文により『パタハラへの理解を深めること/他人への言動に注意すること/防止対策に協力すること』などの責務が課せられています。
上記以外にも以下のような義務があります。これらの義務を怠った場合、厚生労働省からの指導や勧告を受ける可能性があるだけでなく、従業員が法的措置を取った場合には損害賠償を求められることもあります。
■育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
研修や相談窓口の設置、社内事例の周知などを通じて、男性を含めた従業員が育児休業を取得しやすい職場環境を整備する義務があります。
■個別周知・意向確認
妊娠や出産の申し出があった労働者に対して、育児休業制度や関連する給付金などの情報を個別に周知し、育児休業の取得意向を確認する義務があります。
■育児休業取得状況の公表
常時雇用する労働者が300人を超える企業は、男性の育児休業取得率などを公表する義務があります。
また、こうしたパタハラ防止の取り組みは、単なる法的義務の遵守にとどまらず、企業にとっても大きなメリットがあります。
育児制度の利用に対して理解と支援のある職場は、社員の心理的安全性を高め、若手男性社員のエンゲージメント向上や離職防止につながります。ソニー生命『20代・30代共働き夫婦の生活意識調査2025』によると、男性の65%が『育児・子育てについてもっと自分が担当しなければならないと思う』と回答するなど、特に近年は「育児に積極的に関わりたい」と考える20〜30代の男性社員が増えており、育児休業など支援制度の利用に対して職場の風当たりが強いと、不満や不信が蓄積し、早期離職につながる可能性があります。
また、採用においても、求職者が企業の働きやすさやワークライフバランスを企業選びの際に重視する傾向があり、男性の育児休業取得率が低い企業やパタハラのリスクがありそうな職場は、応募を避けられてしまうリスクもあります。
さらに、育児と仕事を両立しやすい職場環境を整えることはダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)推進の一環としても評価されやすく、人的資本開示など外部からの評価にも好影響を与えます。実際に、政府が発表している『人的資本可視化指針』では『ダイバーシティに関連する開示事項』について『男女別の育児休業取得従業員数』を指標例として記載しており、DEIの推進度合いをはかる指標として用いられることが想定されています。
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このように、パタハラ防止、優秀な人材の定着や採用、企業価値の向上といったメリットにもつながります。企業としても、これを「義務」ではなく「戦略」として捉え、主体的に取り組んでいく姿勢が求められていると言えるでしょう。
「パタハラ」に該当するケース
──パタハラにはいくつかの種類があると聞きました。どのような行為がパタハラに該当するのでしょうか。
パタハラには大きく3つの種類があります。それぞれについて具体的な例示も含めてご紹介します。

(1)休業取得に伴う不利益取扱いの示唆
男性従業員が育児休業などの取得を検討している段階で、会社側が制度利用によって男性従業員に不利益が生じる可能性を示唆、もしくはほのめかす行為を指します。
<例>
●昇進や昇格への影響
・育児休業を取得したいと相談した際に、上司から『育児休業を取るなら次の昇進は見送りになるかもしれない』と言われる。
・時間外労働の免除を希望した部下に対して『昇進はなくなるぞ』と言う。
●配置転換や異動
・育児休業を取得した場合、他の部署に異動することを考えたほうが良いと上司から言われる。
●解雇や退職
・育児休業を取得したいと相談を受けた際に、『休むなら辞めてもらうしかない』と言う。
・『育児休業を取得したらクビにするぞ』と脅す。
●減給や賞与への影響
・『育児休業を取得するなら次から減給だ』と言う。
・『育児休業をとる人には責任のある仕事を任せられない』と言う。
(2)休業取得の妨害
男性従業員が育児休業などの取得を希望した際に、会社側が制度の利用を認めなかったり、『休まれると困るから』などと言い育児休業の取得を認めない・諦めさせようとしたりする行為を指します。
<例>
●申請を認めない
・育児休業の申請をしても企業が認めない。
・育児休業を利用しようとする部下に、制度利用を認めない。
●制度利用を諦めさせようとする
・育児休業の申請に対し、『他の従業員に迷惑が掛かってしまうと思わないか』『仕事が大変になるから育児休業は取得しないでほしい』などと心情に訴え諦めさせようとする。
・育児休業の希望を出そうとしている同僚に、『育児休業をとるなんてあり得ない。自分なら取得しない』などと言い制度利用を諦めさせる。
・『男なのに育児休業を取るなんてあり得ない』『育児は妻がすれば良いだろう』など性別役割分担のような発言をする。
●職場の雰囲気で取得を抑制する
・『うちの部署は忙しいから、育児休業は利用しないように』『忙しいのに育児休業をとるなんて考えられない』などと日頃から発言している。
・育児休業等に関して、否定的な言動が頻繁に行われる職場風土がある。
・育児休業等に関する制度を利用すること・利用を申請することがしにくい雰囲気がある。
(3)休業取得を理由とした嫌がらせ
男性従業員が実際に育児休業などを取得したことを理由に、会社側や同僚が行う嫌がらせの行為を指します。
<例>
●復帰後の不利益な扱い
・育児休業明けの男性従業員に対し、配置転換、異動、降格などを行う。
・育児休業を取得し復帰した部下に対して過小な仕事ばかりを与える。
・育児休業を取得した男性従業員の復職後に仕事を与えない。
・育児休業復帰後に昇格試験を受けさせない。
・育児休業から復帰後に会議への参加を拒否される。
・育児休業から復帰後に海外出張がなくなる。
●同僚からの嫌がらせ
・育児休業を取得中の同僚に対し、『お前のせいで自分に多く仕事が回っている。責任を取れ』などと嫌がらせのメールを送る。
・制度を利用した男性従業員に対して、『自分だけ育児休業を利用して休むとは、周りの迷惑を考えていない』などの発言を繰り返す。
・産後パパ育児休業の取得を周囲に伝えたところ、同僚から『迷惑だ。自分なら取得しない。あなたもそうすべき』と言われる。
・上司や同僚が『子供の世話で何度も休んで迷惑だ』と繰り返し言う。
●不当な評価
・育児休業などの取得を理由に、人事考課において不利益な評価を行う。

「パタハラ」が発生する原因
──法律でも不利益取り扱いが禁止されるなど男性育児休業制度の整備や周知が進む一方で、なぜ現場ではいまだに「パタハラ」が発生してしまうのでしょうか。
「パタハラ」が無くならない背景には、社会的要因と職場の実情が複雑に絡み合っていることがあると私は考えています。日本社会には依然として伝統的な性別役割分担意識(男性は仕事、女性は家庭)が強く残っており、特に年配世代を中心に根強く存在しています。そのため、男性が育児休業を取得することに対して『男のくせに』『育児は母親がするものだ』といった偏見や無理解が生じやすい状況があるのです。
また、日本の多くの企業には、長時間労働を是とする企業文化や、会社への忠誠心を重視する文化がいまだに残っています。『自分の仕事が終わっても上司や周りの目が気になって帰れない』といった話もよく聞きます。このような環境下で育児休業を取得すると、会社への貢献度が低いとみなされたり、周囲に迷惑をかけたりといった認識につながりやすいのです。結果として、男性が育児休業を取得することに心理的な抵抗を感じやすくなります。
さらに、管理職や同僚の意識改革が十分に進んでいないことも「パタハラ」発生の要因と言えます。制度の内容を理解していなかったり、男性の育児参加の重要性を認識していなかったりする上司や同僚からの心ない言動が「パタハラ」につながっているからです。
現在の上司と呼ばれる年代は、一般的にお子さんがもう大きくなっている世代であるため、男性育児休業等に関して当事者意識があまりありません。また、晩婚化・未婚化が進んでいることもあり周囲があまり制度を理解しようとしないといった声もよく聞きます。
一方で、育児休業を取得することによるキャリアへの悪影響を懸念する男性も少なくありません。昇進が遅れたり、重要な仕事から外されたりするのではないかという不安を煽り、育児休業取得をためらわせることで「パタハラ」につながることも多々あります。
こうした日本社会に根強く残る伝統的な性別役割分担意識や『理想の労働者像』といった労働文化意識が、男性の育児参加を阻み、パタハラの主要な要因となっていると考えます。企業における育児休業制度の整備や周知が一定進んでいたとしても、管理職や同僚の意識改革がなされていなければうまく制度も活用されないのです。
パタハラ防止のために企業として講じるべき対策
──育児介護休業法には不利益取り扱いを防止するために企業が講じるべき措置について定めがありますが、具体的にどのような対策を取る必要があるのでしょうか。
企業が講じるべき措置には、大きく以下4つがあります。
(1)不利益取扱いの禁止
労働者が育児休業、出生時育児休業(産後パパ育児休業)、子の看護休暇、育児時間、所定外労働・時間外労働・深夜業の制限、育児のための短時間勤務などの制度利用を申し出たり、利用したりしたことを理由として、解雇その他不利益な取り扱いをすることを禁止しています。その具体例には以下のようなものがあります。
・解雇
・期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと
・あらかじめ契約の更新回数上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること
・退職または正社員をパートタイム労働者などの非正規雇用社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと
・就業環境を害すること
・自宅待機を命ずること
・労働者が希望する期間を超えて、その意に反して所定外労働・時間外労働・深夜業の制限または所定労働時間の短縮措置などを適用すること
・降格させること
・減給、または賞与などにおいて不利益な算定を行うこと
・昇進や昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと
・不利益な配置の変更を行うこと
・派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと
(2)ハラスメント防止措置義務
事業主は、職場において上司・同僚からの妊娠・出産・育児休業などに関するハラスメントにより労働者の就業環境が害されることのないよう、防止措置を講じなければなりません。その具体例としては、以下のようなものがあります。
・方針の明確化と周知・啓発(職場におけるハラスメントの内容や、ハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること)
・相談体制の整備(ハラスメントに関する相談窓口を設置し、相談があった場合に適切に対応できる体制を整備すること)
・迅速かつ適切な対応(ハラスメントが発生した場合、事実関係を迅速かつ正確に確認し、被害者に対する配慮を行うとともに、行為者に対して適切な措置を講じること)
・原因や背景となる要因の解消(ハラスメントの原因や背景にある職場環境の問題を改善するための措置を講じること)
・再発防止措置(ハラスメントが再び発生しないように、具体的な対策を講じること)
・プライバシー保護(相談者や行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること)
・不利益取扱いの禁止の周知(ハラスメントに関する相談をしたことや、事実関係の確認に協力したことなどを理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること)
(3)育児休業などを取得しやすい雇用環境の整備
事業主は、育児休業や出生時育児休業を取得しやすい雇用環境を整備するよう努めなければなりません。
(4)個別周知・意向確認
妊娠や出産の申し出があった労働者に対して、育児休業制度や関連する給付金などの情報を個別に周知し、育児休業の取得意向を確認するよう努めなければなりません。
なお、これらの措置を怠った場合、厚生労働省からの指導や勧告を受ける可能性があります。さらに、ハラスメントによって従業員が法的措置を取った場合には損害賠償を求められることもあります。
「パタハラ」を発生させない職場づくりのポイント
──先ほど紹介いただいた対策を形骸化させないためには、現場の理解や納得を得ることが重要だと感じました。そのためには企業としてどのようなポイントを押さえて動けると良いでしょうか。
おっしゃる通り、制度だけキレイに整っていたとしても、それを活用する現場側の理解や納得がなければうまく運用・活用されません。現場側の理解や納得を得るためにも、以下5つの観点で職場づくりを行っていくことが「パタハラ」予防には必要です。

(1)経営層のコミットメントと積極的な発信(トップメッセージ)
従業員は、経営層やトップの意向を敏感に察知します。そのため、経営層やトップが男性の育児参加を重要視し、育児休業取得を推奨するメッセージを社内外に積極的に発信することが重要です。そうしてトップの姿勢が明確になることで、徐々に育児休業を取得しやすい企業文化が醸成されていきます。もし経営層やトップの方がその重要性を理解していない場合は、人事や経営企画のメンバーから説明することも必要になってきます。
(2)育児休業に関する意識改革と理解促進(研修・ワークショップ)
以下のような研修・ワークショップを通じて、それぞれの育児休業に関する意識改革と理解促進に取り組みます。
◾️全体研修
男性育児休業の制度内容、その意義や目的、周囲の協力の重要性などを伝えます。あわせてアンコンシャス・バイアスや性別役割分担意識を見直す研修も有効です。
◾️管理職向け研修
部下の育児休業申請を受け止め、職場全体の協力を促す大きな役割を担うのが管理職です。そのため、管理職には特に重点的に研修を実施すると良いでしょう。制度・関連法規に関する知識、部下の状況への理解、代替要員の確保、業務分担の調整など、具体的な対応までも含んだ研修を行う必要があります。
◾️ラウンドテーブル(育児休業取得者の体験談)
実際に育児休業を取得した男性従業員の体験談を、社内報やイントラネットなどで共有することも有効です。取得を検討している従業員の不安を軽減することにもつながります。
(3)育児休業を取得しやすい職場環境の整備
いくら男性育児休業に理解を示してもらえたとしても、実際の業務の中で問題があればうまく受け入れてもらえないものです。そのため、以下のような取り組みを通じて、育児休業取得者が発生したとしても取得者・残される現場側共になるべく負担なく業務が継続できるような環境整備を行う必要があります。
◾️代替要員の確保と業務の効率化
育児休業取得者の業務をスムーズに引き継ぎ、残された従業員の負担が増えすぎないようにする必要があります。
◾️柔軟な働き方の推進
テレワークや時短勤務など育児と仕事の両立を支援する柔軟な働き方を推進することで、育児休業後のスムーズな復帰をサポートできます。
◾️相談しやすい体制の構築
育児休業に関する相談窓口を設置し、制度利用の不安やハラスメントの悩みを気軽に相談できる体制を整えます。
(4)復帰後のサポート
育児休業から復帰した従業員と上司や人事担当者が復帰面談を行い、復帰後の業務内容やキャリアプランについて話し合います。その際、育児休業取得がキャリアの妨げにならないよう昇進や昇格の機会を平等に提供し、長期的なキャリア形成を支援する姿勢を示すことが重要です。
(5)ハラスメント防止策の徹底
「パタハラ」を含むハラスメントを禁止する規程を明確に定め、全従業員に周知徹底します。その際、過去の「パタハラ」の事例や、どのような言動がハラスメントに該当するのかも具体的に共有することでより現場メンバーにイメージしてもらえるように工夫しましょう。なお、これらの取り組みを行った上でも「パタハラ」が発生してしまった場合は、迅速かつ適切に事実確認を行い、行為者に対しては厳正な処分を下すことも明確にしておけると予防につながります。
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編集後記
「パタハラ」は、日本社会に根強く残る『理想の労働者像』が強く影響していることが平井さんのお話からも理解できました。予防のためには制度の整備や周知だけでは不十分であること、従業員側の“意識改革・アップデート”が欠かせないこと──これらを念頭に置いて対処していくべきテーマなのではないでしょうか。