【2025年最新版】人事制度構築コンサルティング会社15社を比較。活用メリットと選び方を解説

人事制度構築コンサルティングは、企業の人事制度の設計・導入・運用をサポートし、組織の成長を支援するサービスです。本記事では、人事制度構築コンサルティングの概要や活用するメリット・デメリット、コンサルティング会社15社の比較、自社に適したサービスの選び方について紹介しています。
目次
人事制度構築コンサルティングとは?
人事制度構築コンサルティングとは、企業の人事制度(等級制度、報酬制度、評価制度など)の設計・導入・運用に関して、専門的な知識と経験を持つコンサルタントが支援を行うサービスです。
人事制度を設計するには、事業フェーズや企業規模、事業戦略などを総合的に考慮して設計する必要があります。また、人事制度の運用を起動に乗せるためには工数と時間がかかります。こういった人事制度の設計・運用に関する業務を専門家が支援してくれるのが人事制度構築コンサルティングです。
人事制度構築コンサルティングサービスに依頼できる業務
人事制度構築コンサルティングサービスでは、以下のような業務を依頼することが可能です。
人事制度(等級・報酬・評価制度)の設計・改定
等級制度、報酬制度、評価制度の構築や改定を支援します。企業が抱える課題と将来に向けた事業戦略・人事戦略を明確にしたうえで、スキルレベルに応じた等級を設定し、評価基準を作成します。また、等級にあわせた給与や賞与の体系を構築します。
評価プロセスの策定
評価プロセスの策定では、評価の流れや実施タイミング、フィードバック方法を作成し、企業の育成方針にあった評価を公平に行える体制構築を支援します。
人事評価に関する研修支援
評価者向けのトレーニングを実施し、評価のばらつきを抑え、公平な人事制度の運用をサポートします。管理職に対して研修を行い、評価者が人事制度を理解し、無意識の偏見に左右されず、適正な評価を行えるようにします。また、適切なフィードバック技術を身につける研修などを実施する場合もあり 専門家による人事評価(アセスメント)
取締役などの経営層や上級管理職登用などの際に、社内評価に加えて専門コンサルタントが客観的にスキルや適性アセスメントを実施することで、より適切な人材が選定できるようサポートします。
運用支援
企業が行う従業員向けの説明会や個別相談についてサポートし、制度がスムーズに導入できるような支援を行います。また、制度導入後の運用状況を専門的な知見からモニタリングし、問題点を発見し、必要に応じて改善を提案します。
人事制度構築コンサルティングサービスを活用するメリット・デメリット

メリット
◾️専門家のノウハウを活用できる
コンサルティングサービスを利用することで人事制度に関する最新の知見や他社事例などの情報を取り入れることができ、企業の課題に応じた最適な制度設計が可能になります。
また、報酬制度を始めとして人事制度は設計・改定にあたって従業員と締結した労働契約に抵触しないかなどの法的観点も含めて検討が必要になります。ノウハウを持つコンサルティングサービスを利用することで法的観点からも適切な人事制度の構築が可能になります。
◾️客観的な視点で課題を把握できる
第三者の視点から現状の人事制度の課題を分析してもらうことができるため、求める人材と評価基準との齟齬や評価基準と実際の運用との乖離など、社内だけでは見落としがちな課題を明らかにできます。
◾️効率的に制度を構築できる
人事制度の設計には多くの時間と専門知識が必要ですが、経験豊富なコンサルタントに、制度設計の提案や資料作成、導入までのスケジュール設計を依頼することで、自社の人事部門の負担を軽減しながら、効率的に人事制度の設計を進めることが可能です。
デメリット
◾️費用がかかる
外部のコンサルティングサービスに依頼する場合、その分費用が発生します。特に大手のコンサルティングファームを利用する場合、費用が高額になりやすいため、依頼をする際は予算と依頼する業務範囲などのバランスを検討する必要があります。
◾️情報のキャッチアップが不十分だと適切な制度設計ができない場合がある
コンサルティングを依頼する場合、自社の企業文化や事業戦略、現行の人事制度などを一からキャッチアップしてもらう必要があります。このキャッチアップが適切にできないと企業文化や事業方針に合わない制度になってしまう可能性もあるため、しっかりと自社情報のインプットを行ってもらえる体制を整えておく必要があります。
◾️ノウハウが社内に蓄積しにくい
コンサルティング会社に依存しすぎると、社内に人事制度の構築・運用に関する知識が蓄積されず、長期的には自社での運用が困難になる可能性があります。そのため、コンサルティングを受けながらも、社内の人事担当者がスキルを習得できる仕組みを整えることが望ましいでしょう。
人事制度構築コンサルティングサービスの種類とその違い
人事制度構築コンサルティングサービスを選ぶ際には、企業のニーズや課題、予算に合ったサービスが受けられるかが重要です。以下ではコンサルティングサービスのタイプごとに、選び方を解説します。
コンサルティングサービスの種類
人事制度構築コンサルティングサービスはその提供主体やサービススキームにより、主に以下の3つの種類に分けられます。
◾️複業・フリーランスのプロフェッショナル人材活用サービス
プロフェッショナル人材活用サービスは、企業の課題やニーズに応じて必要な専門知識を持つプロフェッショナル人材を、プロジェクト単位や期間限定で活用するサービスです。
サービスの特徴として、特定の業界や業務に特化した専門知識を持つ人材を柔軟に活用できる点が挙げられます。例えば、エンジニアの人事制度を構築したい場合に、IT業界でエンジニアの人事制度の構築経験があるプロフェッショナルに依頼する場合などです。
また、人事制度の設計だけ、評価者トレーニングなどの評価制度運用の部分だけなど、柔軟に依頼ができる点も魅力です。
また、コスト面でもメリットがあり、フルタイムのコンサルティングサービスと比較して低コストで導入できる場合があります。一方で、個人への依頼となることから、国内外の多数の事例分析を伴う大がかりな制度構築など、マンパワーが必要な業務は不向きなため注意が必要です。
◾️ パッケージサービス
パッケージサービスは、事前に標準化された等級・評価制度のテンプレートや手法を用いて、人事制度の設計や評価制度の導入を行うサービスです。
このサービスは、比較的低コストで導入できることと、導入プロセスが明確であるため、短期間で成果を得られる点が魅力です。従業員数が少なく制度がシンプルな中小企業や、初めて人事制度の構築を行う企業などで、早期に制度構築を行いたい場合に適しているといえるでしょう。
一方で、制度のカスタマイズ性には限界があり、自社独自の企業文化や人事戦略に合わない制度になってしまう可能性もあります。そのため、パッケージサービスを選ぶ際には、自社のニーズにどこまで適合するかを事前に確認することが重要です。
◾️ コンサルティングファーム
コンサルティングファームは、大手のコンサルティング会社が法人として提供するサービスで、豊富なリソースと実績を活かして人事制度の設計について包括的な支援を行うサービスです。
このサービスの最大の利点は、幅広い業界の知見を活かした自社用にカスタマイズした制度設計ができる点にあります。例えば、人事制度の抜本的な改革や、グローバルな人事戦略の策定、データに基づいた高度な分析を必要とする人事制度設計が必要な場合に的したサービスと言えるでしょう。
一方で、前述した2つのサービスと比較して費用が高額になりがちなので、予算とのバランスを考慮しながら導入を検討する必要があります。また、制度設計までがメインの支援範囲で、運用サポートなどについては対象外、または追加オプションとなる場合があるので、導入後の支援まで行って欲しい場合は注意が必要でしょう。
コンサルティングサービスの選び方・ポイント
自社にあったコンサルティングサービスを選ぶ際には、以下の3つの視点を総合的に勘案して検討するとよいでしょう。
◾️依頼したい業務範囲
人事制度は制度を設計して終わりではなく、制度を効果的に機能させるためには設計した制度を全社に浸透させる導入・運用まで行うことが必要です。
コンサルティングサービスに依頼したいのは設計のみなのか、導入・運用までサポートしてもらいたいのかによって、適したサービスが異なるため『どの範囲まで依頼をしたいのか』を考えたうえでサービスを選ぶ必要があるでしょう。
◾️制度のカスタマイズ性と構築までの時間
前述の通り、制度のカスタマイズ性が異なるため、サービスごとに制度設計が完了するまでにかかる時間は異なります。「自社に最適な制度を時間をかけて構築したい」のか「今人事制度がないの取り急ぎ制度を構築したい」のかなど、自社の状況に合わせてどのような人事制度がいつまでに必要なのかを考えながら、サービスを選ぶと良いでしょう。
◾️制度の運用支援
人事制度を効果的に機能させるためには、構築した人事制度に沿って適切に評価・行動できるよう従業員に制度を理解・浸透させ、適切に運用していくことが必要です。人事制度は事業方針の変更や市場環境の変化に応じて都度見直しを行う必要があります。そのため、サービスを選ぶ際には、導入後の運用支援をどこまで外部のサポートを得て行っていくかを考えたうえで、サービスを選ぶと良いでしょう。
◾️費用
サービスによってかかる費用は異なります。自社の予算を鑑みて、どれくらいの費用ならかけられそうかも考慮しながら、サービスを選ぶと良いでしょう。

このように、それぞれのサービスにはそれぞれメリット・デメリットがあり、自社の課題や導入目的に応じて適切にサービスを選ぶことが重要です。
人事制度構築コンサルティングサービスの費用例
人事制度構築コンサルティングの費用は、企業の規模、依頼する業務範囲、コンサルタントの経験などによって変動します。以下に、一般的な費用例を紹介します。
費用を決める要素
◾️企業の規模
企業の従業員数が多いほど、人事制度の設計や導入にかかる時間と労力が増え、結果として費用も高くなる傾向があります。特に大企業では、拠点ごとに異なる評価基準の統一や、グローバルな人事制度との整合性を考慮する必要があり、その分費用がかかる可能性があります。
◾️依頼する業務範囲
人事制度構築コンサルティングの費用は、依頼する業務の範囲によって大きく異なります。例えば、等級、報酬、評価制度のすべてを依頼する場合や、運用サポートや評価者研修まで依頼する場合は、その分費用がかかります。
◾️コンサルタントの経験や実績
依頼するコンサルタント(コンサルティング会社)の経験や実績によって、サービス料金は大きく異なります。大手のコンサルティングファームは、豊富な導入事例やデータを基に、業界ごとに最適な制度設計を行うため、費用が高めに設定される傾向があります。一方で、中小規模のコンサルティング会社や複業・フリーランスのプロフェッショナル人材に依頼すると、費用を抑えつつも企業のニーズに合わせた柔軟な支援を受けられる可能性があります。ただし、実績の少ないコンサルタントに依頼する場合は、サービスの品質やサポート体制を事前に確認することが必要です。
費用例
具体的な費用は依頼する人事制度構築コンサルティング会社や委託する業務内容によって異なりますが、人事制度設計・構築・改定を依頼した場合の一般的な相場は以下の通りです。
・小規模企業(従業員数100名未満):50〜200万円程度
・中規模企業(従業員数100名〜1000名未満):200〜500万円程度
・大規模企業(従業員数1000名以上):500万円〜
おすすめの人事制度構築コンサルティングサービス15社の比較
ここでは、筆者である株式会社コーナーの視点から、15社をタイプ別に紹介します。
※料金や特徴は記事公開時点(2025年3月)の情報です。最新情報は各社の公式サイトをご確認ください。
プロフェッショナル人材活用サービス
◆CORNER(株式会社コーナー)

サービスURL
https://pws.corner-inc.co.jp/service-company/lp_v3
特徴
・1万人以上の中から最適なプロ人材に人事制度設計支援を依頼できるサービス。
・パッケージ化されたサービスではなく、企業に最適な制度設計〜導入・運用支援まで幅広く対応できるのが最大の強み。
・専任コンサルタントが企業とプロ人材の間に立ち、プロジェクト成功を支援するため、安心した成果が期待できる。
料金
・初期費用0円、月額料金は業務内容により調整
こんな企業におすすめ
「自社に最適な人事制度を設計したい」
「制度設計だけでなく、運用支援まで一環してサポートしてほしい」
「自社の業界や状況について豊富な知見を持つ専門家に支援を依頼したい」
・コーナーのサービス資料ダウンロードはこちら
・コーナーへの無料相談・お問い合わせはこちら
◆人事プロパートナーズ(株式会社Hajimari)
サービスURL
https://itpropartners.com/hr/biz
特徴
・8,000人以上のフリーランス人事プロフェッショナルから最適な人材を紹介。
・戦略設計〜実務代行まで、柔軟に依頼が可能。
・多様な業界・フェーズの企業への支援実績が豊富。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
人事制度構築について即戦力人材を一時的に必要としている企業
◆コンサルフリー(株式会社SowLab)
サービスURL
https://consulfree.com/company/
特徴
・組織人事を始めとした様々なフリーランスコンサルタント特化型プロ人材検索サービス。
・フレキシブルな契約形態でコンサル人材の活用が可能。
・メーカー・情報通信(IT)業界の知見が豊富。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
コンサルタント人材をフレキシブルに活用したい企業
パッケージサービス
◆あしたのチーム(株式会社あしたのチーム)
サービスURL
特徴
・人事制度の構築から運用までをトータルサポート。
・クラウド型人事評価システム「あしたのクラウド®︎ HR」を提供し、評価業務の効率化を実現。
・導入企業は4,000社以上の実績。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
中小企業やベンチャー企業で、人事評価制度の導入や運用効率化を目指す企業
◆識学(株式会社識学)
サービスURL
https://shikigaku.jp/solution/evaluation_system/
特徴
・独自の「識学」理論に基づき、人事制度の構築や組織マネジメントの最適化を支援。
・マネジメント研修と組み合わせた制度設計が特徴。
・シンプルな人事評価制度を推奨し、構築をサポート。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
人事評価位制度の構築とあわせて、管理職のマネジメント向上実現したい企業
◆シーグリーン(株式会社シーグリーン)
サービスURL
https://www.seagreen.co.jp/package/
特徴
・人事評価制度に特化した制度構築・運用までをクラウドサービスで提供。
・最短1ヶ月で制度構築が可能。
・様々な業種に対応。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
評価制度の構築・運用を短期間で行いたい企業
コンサルティングファーム
◆タナベコンサルティング(株式会社タナベコンサルティンググループ)
サービスURL
https://www.tanabeconsulting.co.jp/
特徴
・創業65年以上の歴史を持つ日本の経営コンサルティングのパイオニア。
・全国10地域に事業所を展開し、17,000社以上のコンサルティング実績。
・人事制度構築や人材育成、組織活性化など、企業の課題をトータルでサポート。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
中堅・中小企業で、人事制度の構築や組織改革、人材育成など包括的な支援を求める企業
◆リブ・コンサルティング(株式会社リブ・コンサルティング)
サービスURL
https://www.libcon.co.jp/solution/organization/personnel-evaluation-system/
特徴
・戦略策定から実行フェーズまで一気通貫で支援。
・策定した人事制度を踏まえた採用・人材育成の施策設計にも対応。
・人事制度だけでなく、企業の経営課題に包括的に対応。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
人事制度設計から経営課題の解決までトータルでサポートしてもらいたい企業
◆セレブレイン(株式会社セレブレイン)
サービスURL
https://www.cerebrainte.co.jp/
特徴
・企業の状況に応じたオーダーメイドの人事制度の構築を支援。
・1,000社以上の豊富な導入実績。
・人事制度構築だけでなく、組織開発やリーダーシップ強化にも対応。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
自社の実態に即した人事制度構築を進めたい中堅・大手企業
◆TOMAコンサルタンツグループ(TOMAコンサルタンツグループ株式会社)
サービスURL
https://toma.co.jp/service/human/personnel-evaluation/
特徴
・企業の実態に合った人事制度を構築。
・労務問題の専門家である社労士による人事制度構築コンサルティングを提供。
・制度導入後の運用フォローも対応。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
労務観点からも人事制度のチェック・見直しを行いたい企業
◆リクルート・マネジメント・ソリューションズ(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)
サービスURL
https://www.recruit-ms.co.jp/service/service_detail/org_key/C003/
特徴
・人事制度設計から、運用・定着・実行まで一貫してサポート。
・企業のニーズに合わせたカスタマイズ可能なサービスを提供。
・科学的データに裏打ちされたコンサルティング。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
人事制度の導入から運用まで、一貫したサポートを求める大手企業
◆アクセンチュア(アクセンチュア株式会社)
サービスURL
https://www.accenture.com/jp-ja/services/talent-organization-human-potential-index
特徴
・グローバルな視点での人事制度設計が可能。
・最新のデジタル技術を活用したコンサルティング。
・多国籍企業の人事課題解決に強みを持つ。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
グローバル企業や、デジタル技術を活用した人事改革を目指す企業
◆デロイトトーマツグループ(デロイト トーマツ グループ )
サービスURL
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/human-capital/solutions/hcm/human-capital.html
特徴
・大手企業向けの高度な人事制度構築コンサルティングの実績が豊富。
・グローバルネットワークを活用した最新の知見と手法によるコンサルティング。
・経営層や人事関係者などへの評価者研修をはじめ、運用後サポートも提供。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
大規模な組織変革や高度な人事戦略の導入を検討している大手企業
◆マーサー(マーサージャパン株式会社)
サービスURL
https://www.mercer.com/ja-jp/solutions/talent-and-rewards/hr-systems-transformation/
特徴
・1300社以上の報酬調査を元に、最適な報酬制度設計を支援。
・人事制度ポリシーの策定から制度の導入支援まで一貫して対応。
・国内外の豊富な実績に基づくグローバルな知見を活用した支援。
料金
要問い合わせ
こんな企業におすすめ
最適な報酬制度を設計し、競争力強化を図りたい企業
人事制度構築コンサルティングサービスを導入する際の注意点
人事制度構築コンサルティングサービスをトラブルなく効果的に活用するためには、以下のポイントを意識してどのサービスを導入するとよいでしょう。
委託する業務内容・費用を明確にしておく
まず、自社の人事課題を明確にし、どのような目的で人事制度構築コンサルティングサービスを導入するのかを明確にしましょう。目的を明確にしたら、委託したい業務範囲と想定ボリュームを算出したうえでサービス選定をするようにしましょう。
実績を確認する
目的と委託範囲が明確になったら、各会社の過去の実績を確認し、同じ業界・職種での成功事例があるかをチェックすることも重要です。実績の豊富な会社ほど、スムーズな対応が期待できます。
進め方・サポート体制を確認する
契約前に、支援内容、導入後の自社と依頼先の役割分担について確認し、スムーズに業務が進められるかを確認します。
また、人事制度は従業員が制度を正しく理解し、行動できるようにする運用・制度の浸透まで行って初めて機能するものです。加えて、企業の経営方針や外部環境の変化に応じて定期的な見直しや調整が必要となります。制度が形骸化しないよう、導入後の運用フェーズにおいて、どのようなサポートが受けられるのか、制度の見直しや改善に対応できるのかといった点を十分に確認しておくとよいでしょう。
人事制度構築コンサルティングサービス導入後の流れと注意点
人事制度構築コンサルティングは大きく以下の流れで行われます。

1.現状把握・分析
まずは事業戦略・人事戦略や現行の人事制度の課題点のヒアリングなど、企業の現状について調査・分析を行い、状態把握を行います。この部分については、企業側からでも一定の整理やコンサルティング会社へ提供するための情報整理を事前に行っておくと、コンサルティング会社が自社の課題に合わせた提案・制度設計を行いやすくなります。
2.課題の明確化
1で調査・分析した結果をもとに、現行の人事制度と理想とのギャップがある部分を洗い出しし、解決すべき課題を明確にします。
3.人事制度の設計
2で明確にした課題に応じて、人事制度の具体的な設計を行います。この段階では企業側もコンサルティング会社に任せきりにするのではなく、随時情報共有をしてもらい、設計内容に違和感はないか、見落としている課題はないかをチェックする様にしましょう。
4.制度の導入・改定
制度の設計が完了したら、人事制度を導入していきます。従業員への説明会を実施し、新制度の目的や運用方法を丁寧に伝えます。また、従業員の意見を収集しながら、疑問や不明点には迅速に対応し、スムーズに新しい制度へ移行できる環境を整えます。従業員の理解を得ながら進めることで、制度の定着を図ります。
5.定期的な見直しと改善
人事制度は、一度導入したら終わりではなく、企業の成長や市場環境の変化に応じて見直しを行うことが必要です。制度の運用状況を分析し、見直しを行っていきます。
株式会社コーナーのプロフェッショナル人材活用事例
事例1:成長中の人材サービス企業において人事制度の設計から運用支援まで包括的に支援した事例
◾️課題
・複数事業を展開していたが、事業が拡大する中で事業ごとの評価にばらつきが出始めていた。
・規模が拡大する中で管理職の能力の底上げや、新卒採用を開始する中で人事制度の見直しが急務だった。
◾️施策
・人事制度のリニューアルにあたって、人材サービス業での制度構築経験が豊富な人事コンサルファーム出身のプロフェッショナル人材に依頼。
・制度の設計だけでなく、運用定着を見据えて評価者向け・被評価者向け研修も制度導入にあわせて実施。
◾️成果
・3ヶ月という短期間で人事制度を設計し、半年で評価者・被評価者向け研修までを完了。
・研修まで実施することで評価基準について社内で共通認識を作ることができ、制度リニューアル前に比べて事業間での評価のばらつきが少なくなった。
事例2:多様な職種が存在する製造企業で人事制度リニューアルを行った事例
◾️課題
・新たな中期経営計画を策定する中で現在の人事制度と人材育成方針に齟齬があることが明らかに。
・技術職・営業職・事務職など多様な職種の従業員が在籍しており、その中で現場社員の評価の納得性や採用も踏まえた報酬制度を見直す必要があったが、社内で知見が不足していた。
◾️施策
・同業種の企業も含めた数十社以上の人事制度設計・改定経験のあるプロフェッショナル人材に依頼。
・社長や管理職、従業員の声をヒアリングし、現場の実態に即した人事制度設計を行った。
◾️成果
・現場の課題感を踏まえて人事制度設計を進めることができ、全社的に納得感の高い制度を構築。
事例3:メディア企業でエンジニアの人事制度を構築した事例
◾️課題
・ビジネス職種主体の人事制度となっており、エンジニア職種における評価が適切に行われておらず、評価・報酬への納得感のなさから退職するエンジニア社員が増えていた。
・納得性や採用も踏まえた報酬制度を見直す必要があったが、社内で知見が不足していた。
◾️施策
・IT企業複数社で、人事全般・部長を経験し、エンジニアの人事制度設計経験があるプロフェッショナル人材に依頼。
・企業の課題を担当者の声を聴きながら吸い上げ、今までの経験を活かしながら企業に最適な人事制度を設計
◾️成果
・他社の報酬水準も参考にしながら、適正な報酬・評価制度を構築。
・評価基準が明確になったことで不満の声が減り、離職率も低下傾向に。
まとめ
人事制度構築コンサルティングサービスは、専門知見や工数が必要な人事制度設計〜運用支援を依頼できるだけでなく、自社のノウハウ獲得にも活かせる選択肢です。一方で、「どんな業務をどこまで任せるか」を明確にし、自社に合ったサービスを選ばないと、期待した成果が得られない場合もあります。
当社「株式会社コーナー」では、専門知見を持つプロフェッショナル人材に人事制度設計〜運用支援まで必要な業務を柔軟に委託できます。「自社に最適な人事制度を設計したい」という企業様は、ぜひ一度お問い合わせください。
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