得たい結果から逆算した伴走型のコンサル。事業×人事で事業成長を導く戦略家

2024年1月に独立・起業し、現在は合同会社ベーシックコアの代表を務める碓井さん。事業会社の人事としての経験に加え、事業責任者として事業拡大した経験があることから、「事業を成長させる人事」として多くの企業から頼りにされています。
そんな碓井さんにインタビューを実施し、碓井さんのキャリアや自身の強みを自覚するようになった経験、さまざまな企業と向き合う中で今後実現したいことなどを伺ってきました。
<プロフィール>
碓井 宣忠(うすい のぶただ)
大手総合人材サービスグループ企業にてエリア統括責任者やセールスとして従事した後、Webソリューション企業にてBtoBマーケティング部門の立ち上げやパートナーアライアンス責任者、採用責任者を経験。2016年、医療・ヘルスケアプラットフォームに入社。入社後はクリニックの経営支援部門の現場責任者として、開業や現地採用、セールス、運用オペレーション構築などを医療現場で幅広く支援。2019年6月に人事異動し、医療現場の経験を活かしながら人事戦略を実行し執行役員に就任。2024年1月に独立し、現在は事業×人事で事業成長を導く戦略家として多くの企業の顧問や経営戦略サポートを行っている。
▶このパラレルワーカーへのご相談はこちら
目次
人事経験に加え、事業責任者の経験を強みとして、コンサルタントとして独立・起業
■大手総合人材サービス会社、Webソリューション企業などで幅広く経験を積む。
ファーストキャリアは、大手総合人材サービス会社のグループ企業。エリア統括責任者やイベント制作のプランナー兼プロデューサーとして、クライアント企業が販売する商品のプロモーション戦略やブランディング戦略などを担っていました。他にもイベント運営スタッフの派遣など、「人を動かす」という点について幅広く業務を担当しました。
グループ会社への転籍なども含めて約8年ほど勤務し、経験を活かして独立も考えましたが、自分にはITリテラシーが足りないと感じていたことからIT未経験から転職を決意。EC開発やタブレットのPOSレジを開発しているITベンダーに入社しました。その会社では、2年半ほどパートナー企業を開拓するパートナーセールスを担当した後、人事に異動して採用業務を担当しました。
当初は30名ほどだった組織が最終的には150名を超えるなど、採用を通じて組織の成長を見届けられることはとてもやりがいがありました。ただ、これまで事業責任者やセールスなどを経験してきたこともあり、日々の仕事が売上に直結しない人事の仕事に物足りなさを感じるようになり、再び転職を決意しました。
■医療・ヘルスケアプラットフォームで、医療機関を経営支援する仕事に従事。
続いて入社したのが、業界では名の知られている医療・ヘルスケアプラットフォーム。経営コンサルタントとしての入社で、医療機関やクリニックの現場に入り込み、一緒に事業を拡大させる役割を担いました。ある在宅医療クリニックの場合、4名のスタートから約2年半で100名を超えるまでの組織に急拡大させるなど、事業の垂直立ち上げを経験しています。
そして人事への異動を打診されたんです。もともと採用業務に物足りなさを感じて転職したのに、再び人事をやってくれと言われ、正直なところ最初は迷いました。しかし、約2年半にわたり経営支援に携わる中で、事業において売上をつくるのは人だと考えるようになっていたんですね。また採用だけでなく組織づくりにも携わってほしいと社長から言われ、自分にとっても良い経験になるだろうと打診を受けることにしました。最終的に人事の役員として事業成長に関わった後、2024年1月にコンサルタントとして独立・開業をしました。
■自身の強みを活かして、企業の課題を解決するコンサルタントとして活躍中。
独立・開業後は、それぞれの企業の課題に合わせてさまざまな支援を行っています。ある企業では人事顧問をやりつつ、別の企業では売上アップに向けて営業組織のコンサルティングをしたりと、企業が抱える課題や目指す方向に合わせてコンサルティングを行っています。
私が得意なところや強みを考えると、大きく二点があげられます。一つは事業をつくってきた経験があること。特に0や1から事業を成長させた経験が複数あることが大きな自信となっています。もう一つはその強みを活かして人事ができることで、事業をしっかり理解したうえで人事業務ができることはアドバンテージになっています。
例えば評価制度の構築など何か施策を打ち出すにしても、評価制度をつくることがゴールではなく、評価制度をつくったあとに社員がどんなキャリアを形成できるか、組織や事業がどのように成長していけるかまで考えて進めていく。そうすることが人事の本来あるべき姿だと私は思いますし、そういった仕事ができるのが私の強みだと考えます。社員100名未満のベンチャー企業をはじめ、さらなる規模拡大、事業拡大を目指している企業であれば、その強みも活かせるのではないかと思っています。

いきなりタスクに取り組むのではなく、理想とするところの言語化から始める
■事業責任者として価値提供と利益創出をした体験が、人事の仕事にも活きている。
これまでのキャリアで印象に残っている仕事はたくさんありますが、一つは医療機関の経営支援に携わったことです。クリニックの立ち上げから、赤字クリニックを黒字にする支援など医療行為以外はほぼ全て担当したというか、事業計画の立案、資金繰り表の作成、新規拠点の立ち上げ、保健所の手続き、スタッフの採用・教育、オペレーション改善まであらゆる業務を担当しました。いろいろ苦労もしましたが、経営の疑似体験ができたというか。こういった医療機関やクリニックの経営支援をする仕事を複数回経験したことで、経営を意識した人材戦略の立案や実行ができるようになりました。
■いきなりタスクから入るのではなく、理想とするところの言語化を大切にしている。
コンサルタントとしてプロジェクトを始める際には、いきなりタスクから入るのではなく、企業が理想とするところの「得たい結果は何か?」から入ることを大切にしています。人事ポリシーを言語化するために、理想像からのヒアリングなど、その事業がどういったゴールを目指すのかを具体的に言葉にしていくことで、具体的に何をすべきか、または逆に何をすべきではないかが見えてきます。
いきなりタスクから入ってしまうと、なぜそのタスクがあるのか、タスクを実行することでどうなるかを理解できずに進んでしまうことがあります。「今の組織の課題は何ですか?」と聞かれて答えられる人は多くても、組織が理想とするところを答えられない人は意外と多いもの。その状態でスタートしても目指すゴールには近づけませんので、まずは理想の言語化から始め、同じイメージを共有することが大切だと考えています。例えば評価制度を新たにつくるときなら、「ロールモデルとなる理想の社員はどなたですか?」という話を経営者や人事の方にヒアリングするところから始めています。
このプロセスでは、1社目でプロモーションやブランディング戦略に関わった経験が役立っています。課題を見つけるだけなら誰でもできますし、指摘するだけでは物事は前に進みません。だからこそ、言語化から始めることが提供できる介在価値だと思っています。
「事業を成長させる人事」という強みを活かし、企業の成長や発展に貢献していきたい。
■「企業を成長させる人事」という強みを活かしていきたい。
自分自身にキャッチコピーをつけるなら、「事業を成長させる人事」というところでしょうか。人事についてはまだまだ未熟な部分もあり、一生涯勉強していかなければいけないと考えていますが、いくつもの事業を成長させてきたという事実は変わりません。そういった点から考えると、事業成長させるための戦略人事というところが自分の強みだと思いますし、それを活かしていきたいと思っています。
そういった点からも、売上をはじめ数字として成果を出すことにやりがいを感じます。もちろん、社員の目の色が変わった、会社の雰囲気が変わったという変化にもやりがいは感じますが、それも成果につながって初めて意味があることですから。
■オープンマインドで、周囲に対してリスペクトを持っていたい。
成果を出すことにこだわっているからこそ、好きな人と仕事をすることも大事にしています。「何をやっているか」も大事ですが、「誰とやるのか」も重要だということです。ヒアリングの段階で自分が介入してもあまり意味がないと感じたら、「自分ではないほうがいいかも」とお伝えするようにしています。
何事に対しても誠実な人や企業と一緒に働きたいですね。自分自身としっかりと向き合い、必要とあれば変化することもいとわない。成果を出すためには変化が必要なケースも多々ありますから、オープンマインドで、周囲に対してリスペクトを持っていることが重要ですし、自分自身も常にそうありたいと考えています。

■自分が関わって上場を果たす企業が続々と生まれていけば嬉しい。
今後、自分が関わって上場を果たす企業が続々と生まれていけば嬉しいですね。上場はゴールではありませんが、上場は企業が持続的に成長していて、それが客観的に評価されているという一つの目安になると思っています。その企業で働く社員が長期的にキャリアを形成していけることにもつながるでしょう。だからこそ事業成長にコミットし、企業の規模を拡大していくことにコミットして取り組んでいきたいです。
その他にもレガシーな業界というか、変化余地の大きな企業には積極的に関わっていきたいですね。変化余地が大きいというのは、それだけ伸びしろがあるということ。すぐに変化も起こっていきますので、自分が関わることで組織や企業の活性化に貢献していきたいです。