「組織風土改革」をスムーズに進める上で押さえておきたい改革ステップとポイント
組織の中で長い年月を経て形成される組織風土。急速な市場変化や従業員の価値観多様化などを背景に「組織風土改革」の重要性が近年高まっていますが、組織風土を意図的に変えることは容易ではありません。
今回は、企業人事・フリーランス人事と双方の経験を持つ吉田 貴子さんに、「組織風土改革」の目的から実施ステップ・注意点にいたるまでお話を伺いました。
<プロフィール>
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吉田 貴子(よしだ たかこ)/フリーランス
小売業界で販売・店舗運営・人事を経験後、それまでの経験を活かして独立。フリーランスとして企業の人事関連のサポートや、人材エージェントにて転職者支援などを行う。国家資格キャリアコンサルタント/JDCA認定キャリア・ディベロップメント・アドバイザー。
目次
「組織風土改革」の概要と目的
──「組織風土改革」の概要と目的について教えてください。
はじめに、組織風土の定義について明確にしておきましょう。組織風土とは、以下2つの総称です。
(1)組織において明確化されているルール(企業理念、事業計画、人事制度など)
(2)組織において表面化されている価値観や考え方(従業員同士の関係性、仕事に対する意欲など)
組織風土には、目に見えるものから目に見えないものまで非常に幅広い要素が含まれています。評価制度・人事制度・賞罰の在り方などの『目に見える組織風土』を受けて、従業員の対応・モチベーション・社内の雰囲気などの『目に見えない組織風土』が醸成されている形です。それらすべてが影響し合うことで、企業の業績や企業・個人の成長、モチベーションや定着率などにも影響を及ぼします。これらの「組織風土改革」を行うとなれば、その難易度は高く、時間や労力も相当なものになります。
目に見える組織風土 | 目に見えない組織風土 | |
組織におけるビジュアライズ | 明確化されているルール (目に見える) | 表面化されている価値観や考え方 (目に見えるものと見えにくいものがある) |
要素 | 企業理念・就業規則・事業計画・組織構造・人事制度などの、戦略・制度・仕組みといったハード要素 | 信頼関係・責任の所在・チームワーク・コミュニケーション・人間関係・個人のモチベーションなどの、行為・メンタル・人間関係といったソフト要素 |
それぞれにおける作用 | 人の手によって設定される明文化されたルールであり、その内容に応じてさまざまなソフト要素を醸成するもの | 表面化しているものの明文化されていない暗黙のルールや雰囲気や環境、従業員の価値観など、ハード要素よりもずっと膨大な要素 |
では、なぜ「組織風土改革」が必要なのか。それは、企業成長に必要な事業戦略だからです。組織を取り巻く外部環境は常に変化していますから、企業も成長するためにはそれに合わせて組織自体をアップデートする必要があり、それ自体が事業戦略に必要な要素になってきていると思います。
具体的な「組織風土改革」のタイミングとしては、主に以下のような要素があるときが挙げられます。
・業績が悪化したとき
・事業拡大や既存事業のテコ入れに伴う外部からの採用など、組織内の人員構成に変化があるとき
・離職者の増加などマネジメント方針に対して管理職の意識改革が必要なとき
「組織風土改革」時のステップ
──「組織風土改革」を実際に行う際には、どのようなステップで行うと良いでしょうか。
「組織風土改革」を行う際には、人はそれぞれに異なる価値観を持っているため、ある程度の人数が集まると意見の衝突も起こることも発生します。そうした衝突をなるべく起こさずに「組織風土改革」を進めるには、以下のような手順を踏むことが大切です。
(1)現状を正しく把握する
何が問題なのか、どんなところに居心地の悪さを感じるのか。思うところは人によってさまざまです。まずは現状を正しく把握するために、今の組織風土を可視化するところから始めます。
例えば、従業員が集まって自由に発言するグループディスカッションを実施し、現在の組織風土について感じること・思うことを何でも発表してもらうなども方法の1つです。こうした取り組みが難しい場合には、アンケート形式で各従業員が感じていることを収集する方法もあります。企業によっては、なかなか意見や本音を言い出しにくい風土があるなど、原因が見つけづらいこともあると思いますが、その場合にはアンケートを匿名で実施したり、グループディスカッションではなく個別面談で意見をヒアリングするという方法も有効です。また、自社の社員ではなく外部のコンサルタントに依頼して聞き役になってもらい、守秘義務を厳守したうえで本音を聞き出すという手段もあります。
なお、この時点では問題点や原因・解決方法などは求めません。あくまで『現状を正しく把握する』ことに留めます。
(2)問題点を明確化する
組織風土の現状が理解できたら、理想とする姿やあるべき姿とのギャップがある点など、変えなければならない点を抽出します。企業の成長を阻む問題は何かを可視化するとともに、どのような要素に置き換えれば「組織風土改革」を実現できるかを検討します。
(3)行動指針
問題となる要素を特定したら、あるべき姿の実現に向けてどのように行動すべきかを明確にした基本的な行動方針を策定します。例えば、(2)で明確にした問題点が価値観や考え方などにあった場合には、行動指針として新しく根付かせたい組織風土を標語などの言葉にまとめてみるのも良いでしょう。
行動指針の例としては以下のようなものがあります。
<例>
・経営理念の浸透や共有化
・新しい行動基準の構築
・ビジネスモデルを転換する戦略の立案
・人事制度やマネジメントシステムの再構築
・部門間や従業員間の関係性強化
(4)行動計画を策定する
行動指針が策定できたら、次に行動計画を決めていきます。具体的な行動計画は目標や課題に応じてさまざまなシナリオが考えられます。アプローチは企業ごとに異なりますが、はじめにお伝えした定義のハード要素(企業理念、就業規則など)とソフト要素(チームワーク、コミュニケーションなど)へのアプローチをバランスよく組み込むと良いでしょう。
また、「組織風土改革」はトップが先頭に立って取り組むことが不可欠であり、従業員にその目的や意義を伝えて納得・理解を得ることも欠かせません。実際に従業員にその目的や意義を伝えるのは次のフェーズになりますが、行動指針・計画の策定段階からロールモデルとなる従業員を巻き込んでプロジェクトとして取り組んでおくと、後々従業員への伝達がスムーズになります。
(5)「組織風土改革」の必要性を従業員に伝える
組織風土は従業員1人ひとりの意識や行動によって形成されます。その意識・行動を変えるためには、改革の必要性について従業員の納得を得ることが欠かせません。組織風土は事業所ごとに違う場合もあるため、拠点ごとに経営トップから定期的に説明機会を設けて組織のあるべき姿を繰り返し伝え浸透させていく取り組みが必要になります。
以上、5つのステップをご紹介しました。「組織風土改革」には時間が掛かります。特に、ソフト面では従業員の意識と行動を変えていかなければならず、必ずしもスムーズに進むとは限りません。新しい組織風土を獲得するプロセスは、時に従業員に大きな負担を強いる場合もあり、現場の反発が起きやすいものです。他にも、揺り戻しや業績への影響など多くの阻害要因が発生する可能性があるでしょう。なぜ組織改革が必要なのか、改革によってどのようなメリットが得られるか──これらを組織全体で共有し、賛同する従業員を増やしながら着実に組織風土をアップデートしていくことが求められることを念頭に置いておいてください。
──「組織風土改革」を行う上で活用できるフレームワークなどがあれば教えてください。
「組織風土改革」をする中で取り組む事の多い『ミッション・ビジョン・バリュー』『OKR』『7S』について、それぞれ活用してもらえるフレームワークをご紹介します。
(1)ミッション・ビジョン・バリューを策定する
・ミッション:果たすべき使命・存在意義を明確にする
・ビジョン:目指す理想の姿を具体的にイメージできるように描く
・バリュー:ミッション・ビジョンに基づいた社員の行動基準を設定する
ミッション・ビジョン・バリュー(以下MVV)の作成は、上記の順番で経営に関わるメンバーにて策定していきます。ここで策定したものは行動の判断基準や具体的にどう活動すべきかの指針となるため、従業員や顧客が直感的に理解できるよう平易な言葉でわかりやすく表現しましょう。自社の存在意義を明確に示すことで従業員の帰属意識向上や連帯感醸成が期待できます。また、外部に打ち出すことで顧客や採用対象者へのアピールにもつながります。
作成したMVVを組織に浸透させていく方法としては、例えば表彰機会を設けるという方法があります。MVVを体現出来ている社員を経営陣が人選し、半期や年間などのスパンで全社員に向けて表彰するというものです。その他にも社内報などで、MVVについての記事を掲載したり、入社時研修や新任管理職研修などの機会でMVVについてディスカッションする機会を設けたり、MVVや理念ブックを作成し社員へ配布したり、MVVを社内イントラに掲載して誰でもすぐに見られる状態にする、といった方法も効果的です。
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ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは?作り方と効果の具体例
(2)OKRを活用する
OKR(Objectives and Key Results)とは、組織目標(Objectives)を達成するために必要な部署やチーム、個人の主要な成果(Key Results)を紐付けて設定していく手法です。経営トップ→部署→チーム→個人と目標がリンクするため、目指すべき組織風土から考える組織目標と個人目標にズレがなくなるため、「組織風土改革」に効果的です。
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「OKR最大の効果は、対話型組織の開発にある!?」実践者に聞いた、OKR導入・運用の心構えと実例
<OKRの設定手順とポイント>
・各層における目標(objectives)を決める
実現可能である、期限が明確である、達成にはある程度の難易度も必要、の観点で目標を設定します。
・各目標に対する成果指標(key results)を設定する
数値で示せる(例:売上〇%アップ)、客観的に評価できる(例:〇〇システムの導入完了)、各層で進捗確認を行えるもので設定します。
なお、注意点としてはOKR設定後に定期的に進捗を確認することです。組織全体の会議や管理職が集まる場、また部署やチームの定期ミーティングなどの場が想定されます。個人別では上司との面談などを通じて確認する機会を設けることで進捗確認を習慣化させます。
(3)7Sを活用する
『7S(Seven S Model)』とは、マッキンゼー・アンド・カンパニー社が提唱した組織変革のためのフレームワークです。このフレームワークは、組織のハード面(戦略、組織構造、システム)とソフト面(価値観、スキル、人材、スタイル)の両方を考慮して、組織の課題をMECE(相互排他的で完全な包括性を持つ)に分析します。
具体的には、以下の7つの要素から構成されています。
・戦略 (Strategy): 組織の目標や方針を明確にすること。
・組織構造 (Structure): 組織の階層、部門、役職などの構造を評価すること。
・システム (System): 組織内のプロセス、ルール、情報共有などの仕組みを検討すること。
・価値観 (Shared Value): 組織の共通の価値観や文化を理解すること。
・スキル (Skill): 従業員のスキルや能力を評価すること。
・人材 (Staff): 組織の人材戦略や人材の配置を考えること。
・スタイル (Style): 組織のリーダーシップスタイルやコミュニケーション方法を分析すること。
これら7つの要素を言語化することで、成長の阻害要因となっているものを洗い出していきます。それぞれの要素は相互に作用し合っているため、一つの要素をブラッシュアップすることで他の要素にも良い影響を与えていきます。
「組織風土改革」の運用時の注意点
──「組織風土改革」はどんなことに注意して運用を進めると良いでしょうか。
「組織風土改革」実施中・実施後に気をつけるべきポイントはいくつかありますが、特に以下3つの観点には注意が必要です。
(1)改革には時間がかかることを理解する
組織に根づいた風土を改革するには、多くの場合長い年月がかかります。何か問題が起こった際に『やっぱりダメだった』と早々に判断していては「組織風土改革」は実現できません。中長期的な視点で腰を据えて取り組むことが組織全体に求められます。先ほどお話ししたように、具体的な施策の工程を事前に作成した上で実施フェーズにうつると思いますが、その際に何をいつまでに行うというスケジュールを立て、進捗状況をプロジェクトメンバー同士で定期的に確認したり、難航しているコンテンツや問題について解決策を話し合うようなミーティングを行うと良いでしょう。
(2)組織体制や制度自体を変更する必要もある
理想とする「組織風土改革」を実行する上では、運用を進める中で現行の組織体制や制度の変更が求められるシーンも多々あると思います。小手先の取り組みで改革できるような類いのものではないため、時に大きな変更が必要になることも、柔軟に前向きに、修正すべきところは修正していく、というスタンスを事前に織り込んだ上で改革を進めましょう。
(3)社内トラブルに発展する恐れがある
『トップダウンからボトムアップ』『年功序列から成果主義』のように業務体制に大幅な変化がともなう場合、抵抗勢力や離職者の増加などのリスクも増加します。そうした際に立ち返るべきは、『なぜ「組織風土改革」が必要なのか』『改革によってどんなメリットを得られるか』といった大上段の目的や狙いです。これらを定期的に全員で共有し、時間はかかっても賛同する従業員を増やしながら着実に「組織風土改革」を進めていきます。
ちなみに、『改革が順調に進んでいるか』などの現状を把握する方法としては、従業員全体を対象とした組織診断サーベイサービスなどを利用する方法があります。アンケート形式で従業員の考えや声を聞くことで、浸透度合いや理解度など改革後のマインドの変化を確認することができます。その際、理解が不足している項目については再度共有の機会を設けたり、ワールド・カフェ(※)のような自由に話せる場などを設けて丁寧に共通認識を持つ時間を作ったりする必要があります。
(※)ワールド・カフェとは、カフェでくつろいでいるようなリラックスした雰囲気のもとで行われる複数名で行われる討論や会議のこと。各参加者が対話を通じて気づきを得ることを目的とすることが多い。
なお、理想の組織風土づくりに向けて社内改革を推進する上では、タレントマネジメントの導入も一案です。タレントマネジメントとは、人材情報を一元管理して従業員1人ひとりのスキルや能力を可視化し、戦略的なデータ活用によって人材配置・育成の効果を高める手法を指します。1人ひとりの適性にあった固有のマネジメントに取り組むことで能力を最大限発揮してもらい、組織全体の生産性向上を目指します。組織が個々の成長を支援する文化を醸成することができれば、モチベーション向上による離職率低下、さらには全体のパフォーマンス向上も期待できます。つまり、タレントマジメントの目的は『一人ひとりの力を引き出す』ことであり、理想の組織風土を醸成できているかを確認したり、組織体制の見直しや人事制度のメンテナンスなど、「組織風土改革」に関連する施策を検討するヒントにも繋がります。
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戦略的タレントマネジメントとは?決して「従業員を管理する」だけの手法ではない。
「組織風土改革」の企業事例
──「組織風土改革」事例について教えてください。
いくつかの企業の取り組み事例についてご紹介します。
三井情報株式会社
ICT技術を駆使したサービスと知見を幅広く提供している三井情報。これまでに7社が合併して2,000名を超える従業員を抱えるようになったことで、グループ全体の一体感に課題を感じていたそうです。その流れの中で、中期経営計画の柱の一つである『人的資本の強化』に基づき、『MKIグループ人材基本方針』と『人材像』の2つを新たに策定し、取締役副社長執行役員CHRO(人事総務統括本部担当)によるキャリアオーナーシップ宣言の下、多岐に亘る人事施策を実施して全社的な「組織風土改革」に取り組みました。その取り組み内容についていくつか紹介します。
(※)参考:三井情報株式会社HP ニュースリリース
(1)全従業員参加型のワークショップを年70回開催
同社では定期的にワークショップを開催し、2020年度には70回実施し、1回あたり30名、約2,000名の全従業員が参加されました。ワークショップでは、通常業務で関わることの少ない方も一緒に『会社の将来を考えてキャッチコピーを作る』ことを行いました。全社スローガンの『ナレッジでつなぐ、未来をつくる』もこのワークショップから生まれたそうです。また、エンゲージメントサーベイの従業員満足度の数値もこのワークショップを行うようになってからは向上しています。
(※)参考:『変化の時代に対応できる人材を育成 三井情報が注力する「一体感を醸成する風土改革」と「自律的キャリア開発支援」』日本の人事部
(※)参考:ミライのお仕事『働きがいを重視する三井情報のカルチャーと「MIK LOUNGE」の狙い』
(2)多様な人材が活躍できる場づくり
キャリアオーナーシップ宣言の主な取り組みとして、フレックスタイム、在宅勤務、DE&I、副業制度、健康経営、オフィス環境の整備、健康経営の推進など、様々な観点での働きやすさ促進を目的にした環境づくりに取り組まれています。加えて、業務プロセス簡素化、基幹システム刷新、ペーパーレス化・リモート化などの業務プロセス改革も同時に実現しています。
(※)参考:『三井情報グループ キャリアオーナーシップ推進の取り組み』三井情報株式会社HP
(3)グループ人事と部門人事の役割分担
かつてはグループ人事がすべてを担っていた時代もあったようですが、7社が段階的に合併し規模が拡大していく中ですべてをグループ人事だけで見ることが難しくなり、この「組織風土改革」を機にグループ人事と事業部門の人事企画が連携して人材育成を進めていく体制へと進化させました。
・グループ人事……各部門の育成について相談に乗りながら全社育成プログラムを準備し、全社共通の能力開発を担当。
・部門人事……グループ人事が手の届きにくい『専門性や個を尊重する対応』を担当。
(※)参考:『組織風土』日本の人事部
株式会社湖池屋
多くの方がご存じの老舗製菓(スナック菓子)メーカーです。1967年に日本で初めてポテトチップスの量産化に成功したところから長くこの領域で高い人気を獲得し続けています。数多くのヒット商品を生み出してきましたが、組織課題として『指示待ち姿勢(トップダウン)』や『波風を立てないことを優先する雰囲気』があったとのことです。そこで、2016年に交代したことをきっかけに『指示待ち脱却』『思考力と主体性を身につける』の2点を目的とした「組織風土改革」とリブランディングを行いました。ポイントは以下2つの取り組みです。
(※)参考:『組織風土』日本の人事部
(1)ブランドブックの作成
新代表取締役の就任に合わせて、ブランドブック(ブランドの目指す方向性やブランド価値を共有し、ブランドについての理解を浸透させるために社内向けに作られる小冊子)を作成。社外向けのブランド情報発信だけではなく、自社の従業員に対してのメッセージも盛り込まれたそうです。インパクトのあった『イケイケGOGOコイケヤ』という認知度の高いコマーシャルに合わせ、『新しいほうへ、難しいほうへ、面白い方へ、イケイケ!』といったメッセージを従業員へ訴求されました。同時に新代表取締役がマーケティング手腕を発揮し、新ブランドを立ち上げヒット商品となったことも追い風となり、組織の自信も回復し、従業員が自走を始めるようになったと言います。
(※)参考:design-shimbun
(2)部署間のコミュニケーション促進
優秀な従業員が多いものの、部門間でのコミュニケーションがうまく連携できていないという課題があったそうです。その状況を打開するために、部門間が連携するための会議を設定し、タスクフォースやプロジェクト単位で実施したそうです。これによりお互いの仕事内容の理解度も高まり、部門間の協力や連携が促進されたとのことです。
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編集後記
これまでに長い年月をかけて形成されたものを変革するには、同様に長い時間をかける必要があります。しかし、こうした改革を行う際には変化に対する抵抗や恐れは必ずと言ってよいほど発生しますし、短期的な成果(変化)も求められがちです。こうした問題に対処するためにも、経営陣による明確なコミュニケーションや、小さな変化も成果として丁寧に報告していく姿勢、そして、年月がかかっても諦めずに取り組み続ける信念や周囲との信頼やポジティブな関係構築が重要なのではないでしょうか。