「フリーランス人事」の始め方。その人事経験、今の会社だけで活かすのはもったいない。
人事・採用の複業ならコーナー:登録はこちらから
https://pws.corner-inc.co.jp/service-pw
フリーランスと聞くと、エンジニアやデザイナーといったクリエイティブ系の職種をイメージする方が多いかもしれません。しかし、昨今では、人事といったバックオフィス系の職種も活躍の場が広がっており、人事領域の専門知識を持った「フリーランス人事」が注目されています。
人事の専門性を持っている方からすれば、今がフリーランスとしてデビューする絶好のチャンスとも言えます。今の会社だけで経験を活かすよりも、広く活用していくことで新たな可能性が開けることでしょう。
今回はそんな「フリーランス人事」の始め方を、それを取り巻くマーケット情報などと共にご紹介します。
目次
年々拡大するフリーランス市場
個人側の国内フリーランス人口は2015年~2021年の6年間で937万人→1,577万人まで増加し、経済規模も162%成長しています。これにより働き方の多様化、外部人材の活用が各所で進んできました。
※出典:【ランサーズ】新・フリーランス実態調査 2021-2022年版
また、企業の方でも副業・複業を推奨する動きが出てきた2018年を副業解禁元年として始まってから、2022年では兼業・副業を認める制度があると回答した人事担当者の割合が51.8%と半数以上に及ぶなど、働き方の選択肢は増えています。
※出典:【株式会社リクルート】副業・兼業に関する動向調査データ集2022
さらに、現在ではフリーランス分類が進んでおり、「副業・複業・自由業・自営業」と働き方のバリエーションが増え、今後もより多様化が進んでいくと考えられます。
※出典:【ランサーズ】新・フリーランス実態調査 2021-2022年版
一方、企業側の兼業・副業人材の受け入れ状況は、既に全体の48.6%となっており、まだ受け入れを行っていない企業でも約30%は今後の受け入れを検討しています。引き続き、企業が兼業・副業人材の受け入れに対して前向きな姿勢であると言えます。
※出典:【株式会社リクルート】副業・兼業に関する動向調査データ集2022
また、兼業・副業人材の受け入れを開始した時期については、2022年時点で約70%の企業が「ここ3年以内」と回答しており、副業・複業、フリーランス人口の増加と同タイミングであることが分かります。フリーランスは働き方のひとつとして、社会に定着しつつあると言えるでしょう。
※出典:【株式会社リクルート】副業・兼業に関する動向調査データ集2022
今後も注目される「フリーランス人事」へのニーズ
企業が「フリーランス人事」を求める背景
人事担当者の大きな仕事の一つに採用業務があります。しかし、中小企業などでは専任の採用担当者がいないことが多く、採用のノウハウが蓄積されていない企業が大半です。
加えて人材採用が年々難しくなっていることから、企業は自社採用力をなるべく早く高めるためにも、一から正社員の人事担当者を育てるのではなく、専門性の高い「フリーランス人事」を活用した方が早期に目的達成できると考えるようになってきています。また、近年、働き方改革や女性活躍推進、人的資本の情報開示が上場企業に義務化されるなど従来の人事業務に加え、企業人事は対応すべき課題は拡大しており、より外部の「フリーランス人事」の力が必要となってきています。
企業が「フリーランス人事」に求めること
企業側の受け入れ目的として、「人手不足の解消」「社内人材にはない知識やスキルを持った人事を確保するため」「イノベーションの創発や新事業開発につなげる」が上位に上がっており、フリーランス人材にノウハウや知識を求めるケースが多いことがわかります。
※出典:【株式会社リクルート】副業・兼業に関する動向調査データ集2022
また、受け入れによって得られた効果は概ね目的と呼応する内容となっており、「フリーランス人事」を活用することで、企業は以下のような成果を期待していると考えられます。
※出典:【株式会社リクルート】副業・兼業に関する動向調査データ集2022
・人事のエキスパートからノウハウを取り入れることができる
・即戦力となれる人材を獲得できる
・必要な期間に必要な時間だけ人員を増やすことができる
・社内の変革や社員への刺激につながる
・人件費や時間を節約できる
人事という仕事の性質上、社内でノウハウが貯めづらく、労働集約型になりがちです。専任の人事担当者がおらず、現場が採用業務を兼務することも多々あります。
そういった背景から、企業は外部人材を活用することでノウハウと労働力の両方を獲得し、採用競争力を高めようとするのです。
求人倍率が増加し続け、採用が年々難しくなっていく今後、フリーランス人事はより求められる存在となるでしょう。
人事・採用の複業ならコーナー:登録はこちらから
https://pws.corner-inc.co.jp/service-pw
「フリーランス人事」の業務内容
フリーランス人事が企業から依頼される業務は多岐にわたります。業務のカテゴリとしては「採用(新卒採用・中途採用等)」「人事制度」「組織開発」「人材開発」「労務」があり、その業務カテゴリの中でも戦略設計のような上流から具体的な業務実行支援や、アドバイザリー業務など企業の課題に合わせて、自由度高く依頼されるのがフリーランス人事の業務特徴です。
採用の業務例
クライアント企業状況:
新サービス展開にあたって、ターゲットとなりうる方のペルソナを明確にして、どこにいるのか、どのような訴求ポイントが必要などの採用するための戦略を明確化する必要があるなかで、同社内の中途採用責任者は別にいるものの、他業務で手がいっぱいな状況であることからスピード感を重視し外部のフリーランス人事を部署内に配置する選択を取りたいと考えていた。
業務内容:
採用PM兼リクルーターとして、新サービスの理解から始まり、必要なポジションの洗い出し、募集ポジションの採用要件定義とターゲット設計を行った。さらに、ポジションごとの訴求ポイントの設計、選考フローの設計、求人票の作成や修正も担当。募集ポジションごとの採用チャネルを設計し、母集団形成を実行。
具体的には、スカウト、エージェントなどの採用手法をとり、応募者の一次スクリーニング、面接や面談にも同席も行った。
稼働時間:
週に20時間程度
人事制度の業務例
クライアント企業状況:
事業規模の拡大にともない組織構成が変化するなか、評価制度が創業依頼変更されておらず、成果を上げている社員が適切に評価されず退職していっていた。根本的な評価制度の再構築が急務だったが、人事部門の業務はほぼ担当1名で担当している状態であり、見直しをする余裕がなかったことから、迅速に対応するためにフリーランス人事に業務を依頼。
業務内容:
人事制度改定プロジェクトのリーダーとして、クライアント企業の現状の組織課題と理想とのギャップを明確化し、見直し方針と実際の改定作業のロードマップを作成。ゼネラリストとエキスパートで評価体系を分けるなど、現状の業務内容・難易度に見合った報酬・評価基準を作成し、従業員が適切に評価されるような仕組みを構築。
稼働時間:
週に12時間程度
組織開発の業務例
クライアント企業状況:
組織規模が拡大し、従業員の価値観が多様化する中で社内の変化についていけなくなった古参社員の退職が増えていた。そのため、現在の組織コンディションの課題を把握し、改善策を検討するためにエンゲージメントサーベイを行う事となったが、社内にエンゲージメントサーベイの設計から分析についてノウハウがある人材がおらず、フリーランス人事へ依頼。
業務内容:
クライアント企業のマネジメント層とディスカッションし、サーベイの実施目的を明確化。サーベイの設問を設計し、全従業員へ実施。実施結果について分析をおこない、改善すべき課題を特定。改善策を立案し、実行までをサポートした。
稼働時間:
週8時間程度
人材開発の業務例
クライアント企業状況:
新卒研修担当者が退職し、研修実施のリソースが不足。また、新卒社員の研修プログラムについて数年同じ内容のまま効果検証がされていない状態だった。これを機に研修のブラッシュアップを図ろうと考え、当年の研修実施と来年度以降の研修プログラムのブラッシュアップについて、即戦力となりノウハウもあるフリーランス人事へ依頼。
業務内容:
当年の研修について、従来の研修をベースに実施計画を立て、資料の作成と研修を実施。また、来年度の研修企画からコンテンツ設計、実施スケジュールを策定した。
労務の業務例
クライアント企業状況:
労務担当者が休職となり、急遽リソースが不足。給与計算業務は属人化しており、社内で対応できない状態。知見がありすぐに稼働できるフリーランス人事を活用し、直近の給与計算のアウトソースと業務効率化を行いたいと考えていた。
業務内容:
クライアント企業の状況を把握し、直近の給与計算業務を実施。実務を行う中で業務マニュアルを整備し業務の属人化を解消するとともに、勤怠システムの導入を含む業務フローの改善案を策定。
稼働時間:
週12時間程度
このように、フリーランス人事は上記の各種業務について、専門知識を活かして企業をサポートします。
「フリーランス人事」に求められるスキル
フリーランス人事には正社員と同様高い業務スキルと経験が必要となってきます。そういった点ではフリーランス人事も正社員も求められるスキルに大きな違いはありません。
ただし、フリーランス人事ならではの必要なスキルが存在します。
①自己マネジメントスキル
一人で複数のクライアントとのプロジェクトマイルストンなどのスケジュールを想定しながら、効率的かつ締切を守る必要があります。企業のように上長の存在がないため、すべて自身で管理できるスキルが必要となります。
②営業スキル
クライアントとのプロジェクトには良い結果でも悪い結果でも終わりが基本的には存在します。そのプロジェクト結果から発展して新しいプロジェクトが継続的に発生する場合もありますが、なかった場合報酬が入らなくなるようになります。そのためには新規のクライアントの獲得や、既存クライアントの新規課題発見からのプロジェクト化など能動的に仕事を取ってくる必要があります。
③プロジェクトマネジメントスキル
フリーランス人事になると成果をできるだけ定量で求められることが多くなります。そのためプロジェクト開始までにはプロジェクトのゴール・成果・マイルストンをクライアントと決めることで期待値ギャップを最小限に抑えることが可能になります。またクライアントへの業務依頼も適切に要求することも必要になってきます。
④リスクマネジメント力
業務性質上、フリーランス人事には機密情報を適切に管理することが特に求められます。情報漏洩はクライアントからの信頼低下に直結します。人事データや採用情報、給与情報などはセキュリティ対策をおこなった媒体に保管する、データのやりとりをする際には誤送信などの情報漏洩や不正アクセスに注意するなど、適切な情報取り扱い体制・環境を整える必要があるでしょう。
⑤売上・経理管理力
フリーランス人事は、個人事業主として、売上や経費の管理を正確に行う力が求められます。会計ソフトの利用や、必要に応じて税理士にも依頼をし、適切に財務管理をおこなっていくことが安心して業務を行う上では必要です
これらのスキルはフリーランス人事になるにあたり特別必要なスキルになります。ただし、フリーランス人事でも複業プラットフォーム活用の場合はいくつかお任せできるため、不安な方は活用すると良いでしょう。
また、フリーランスという特性上、クライアントは専門性の高いプロフェッショナルという期待値が必ずあります。そのため、より高い業務スキル・知識からのアウトプットは求められるため、常日頃からのスキルや知識のアップデートは必要になってきます。
「フリーランス人事」のメリット・デメリット
人事フリーランスのメリット
①成長速度が早い
自身の成長が収入に直結することはもちろん、成果責任が会社員時代よりも強まるため、より早いスピードで成長することができます。
また、複数企業と契約したり、様々なミッションを経験することで、経験の幅や深さを広げることができます。
②収入増加が期待できる
自身のスキルを伸ばしてできることを増やしても、会社に所属している限り急激に給与を上げることは難しいでしょう。
しかし、フリーランスであれば提供した価値に見合う対価を得ることができるため、自身の成長がそのまま収入に直結します。
③自由な働き方ができる
フリーランスで働くことの最大のメリットは、時間や場所にとらわれずに仕事ができる点です。案件によりますが、週1回だけ出社してくれればあとは在宅でOKというクライアントもあります。
また人事の仕事領域の中から、自身の得意分野に絞って活動することも可能。時間や場所だけでなく、仕事内容も自分でアレンジすることができ、複数の企業と契約して仕事を同時進行することもできます。
人事フリーランスのデメリット
①自分で仕事を獲得する必要がある
会社員時代のように、待っていれば仕事がもらえる世界ではありません。「フリーランスで生きていくために必要なのは営業力だ」とも言われるように、自分で仕事を獲得し、継続的に仕事をもらえるようにファンを増やしていく必要があります。
②収入が不安定である
メリット②の裏返しでもありますが、活躍できなければ十分な収入を得ることが難しい場合もあります。
コンスタントに稼ぎ続けられるかどうかも確約されているものではないため、土台を作るまでは苦労も少なくないかもしれません。
また、会社員という肩書きが無くなることで社会的信用が得にくくなり、クレジットカードや不動産契約などに難航することも増えるかもしれません。
③働きすぎてしまう
「自由に働ける」反面、どれだけでも働くことができてしまうのがフリーランス。会社員であれば休日は決められていますが、フリーランスの場合は自分で決める必要があります。
また、「働き続けていないと収入が途切れてしまう」といった不安から休日を取れなかったり、結果や実績を出して評価を得るために想定以上に働きすぎてしまったりするなど、精神面のコントロール能力が求められます。
人事・採用の複業ならコーナー:登録はこちらから
https://pws.corner-inc.co.jp/service-pw
「フリーランス人事」への転身・働き方事例
以下4つの観点で3名の事例を紹介します。
①経歴
②フリーランス人事になろうとしたきっかけ
③どうフリーランスをスタートしたか
④実際にやってきた案件事例・日常的なスケジュール
奥様の結婚・出産を機に転身したAさん
①経歴
新卒で人材ベンチャーに入社し、求人広告の代理店営業や人材紹介部門、新規事業、マーケティング部門を経てキャリアアドバイザー領域の責任者へ着任。
②フリーランス人事になろうとしたきっかけ
ひとつは「ライフプランの変化」。結婚しお子さんが生まれたことで、今の働き方では共働きを継続できないことから、働き方を変えるためにフリーランス人事への転身を決意。
もうひとつは「友人と起業を考えていた」こと。大学の知り合いと会社設立を予定していたが、タイミングが合わず自身だけで個人事業主的に採用コンサルティングと人材紹介業を行っていた。それもフリーランス人事へ転身しやすい理由だった。
③どうフリーランスをスタートしたか
前職同期が別会社の人事部長だったこともあり、まずはそのつながりから業務をスタート。そこを足掛かりに仕事を獲得していく中で、ポートフォリオのバランス改善を目指して「フリーランス人事」に強いエージェントサービスにいくつか登録。その中でも自分のスキルや希望にマッチした案件が多くあるエージェントに絞って利用をスタート。
④実際にやってきた案件事例・日常的なスケジュール
・A社…週1日常駐(リクルーター)
・B社…週2日常駐(リクルーター)
・C社…週2回で参加
・D社…週2回MTGベースで参加&数時間常駐(イベント企画・ダイレクト・ソーシング)
・E社…必要なタイミングでMTG参加(顧問的契約)
※D・E社はエージェント経由で獲得
より顧客と向き合える環境を求めて転身したBさん
①経歴
新卒でモバイルサービス企業へ就職し、新規事業開発へ配属。営業・育成担当として従事。その後、大手人材会社へ転職し採用コンサルティングにて数多くの企業支援を行う。現在は独立し、中途採用を中心にメーカー・IT・ウェディング等、幅広い企業の採用支援を行う。
②フリーランスになろうとしたきっかけ
大手人材サービス企業で働く中で、短期間で担当エリア・顧客が変更されることが多かったことから、より深く長く顧客と向き合える環境を求めたのがきっかけ。
③どうフリーランスをスタートしたか
企業・人脈紹介により案件獲得するところからスタート。当初は人事のいないベンチャー企業を担当することが多かったが、現在は数千名規模の企業支援も行っている。
④実際にやってきた案件事例・日常的なスケジュール
常駐している企業もあれば、リモートで支援している企業もあるなど関わり方は様々。結婚していることもあり、基本は18時退社をしてプライベートとのバランスを取っている。
時間・場所にとらわれない働き方を求めて転身したCさん
①経歴
新卒から求人広告営業を経験しマネージャーまで昇格。その後大手人材会社にてキャリアアドバイザーに従事した後、エグゼクティブエージェントにて営業部長として法人・個人の両手型の採用支援や業務改善(品質管理やフロー設計など)を担当。
②フリーランスになろうとしたきっかけ
培ったエージェント経験を試したいと思ったことが一点。もう一点が、自宅が勤務地から遠く通勤に時間がかかり、子どもが2人いるのもあり、家庭を大事にするべく時間と場所にとらわれない働き方を求めたのがきっかけ。
③どうフリーランスをスタートしたか
当初は知人からの紹介案件で業務をスタート。2社の業務を請け負うと同時に案件開拓も並行したいと考えて複数社のパラレルワークサービスに登録。
④実際にやってきた案件事例・日常的なスケジュール
・A社…週2日常駐+リモート(人材系企業のリクルーター)
・B社…週2日常駐+リモート(IT企業のCxO採用)
・C社…フルリモート(IT企業のダイレクトリクルーティング運用)
・D社…週3日常駐(5h/日)+リモート(コンサルティング企業の採用戦略立案〜実行)
・E社…フルリモート(IT企業のダイレクトリクルーティングの運用構築)
「フリーランス人事」の始め方
企業からのニーズも高まっている「フリーランス人事」ですが、とはいえ最初は仕事をどう獲得していくかが課題となってくるはずです。
メリット・デメリットでも紹介したように、
「収入が安定しない」
「仕事がなかなか見つからない」
「社会的信用を得難い」
といった障壁があるというアンケート結果があります。
※出典:【ランサーズ】新・フリーランス実態調査 2021-2022年版
そこで、「フリーランス人事」に強いエージェントを活用するという方法があります。
※出典:【ランサーズ】新・フリーランス実態調査 2021-2022年版
シェアリングプラットフォーム(15.8%)、紹介サービス利用(12.6%)等のフリーランス仕事探しサービスの現状の利用率は合計しても28.4%ですが、利用の割合は年々増加傾向にあり、諸外国と比べてもフリーランスのサービス化はまだまだ伸びる余地が多分にあります。
エージェントサービスを利用することで、自ら仕事を獲得しなくても、自身のスキルや希望する働き方にマッチしたプロジェクトを見つけることができます。
また、担当してくれるコンサルタントによっては、同じくパラレルワーカーとして働いている方もたくさんいるため、あなたと同じ目線で情報提供やフォローをしてくれることもあるかもしれません。
これから「フリーランス人事」へチャレンジしたいと考えている方は、ぜひ利用を検討してみてください。
人事・採用の複業ならコーナー:登録はこちらから
https://pws.corner-inc.co.jp/service-pw